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IT・ネット(10)

LV3「テレビCM崩壊」

ジョセフ・ジャフ著/織田浩一監修/西脇千賀子・水野さより訳/翔泳社/1680円

テレビCM崩壊 マス広告の終焉と動き始めたマーケティング2.0
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副題は「マス広告の終焉と動き始めたマーケティング2.0」。

去年、NYでの「Branded Entertainment Summit」に参加したときに講演を聞いてとても面白かったJoseph Jaffe氏の本。
その時一緒に講演を聞いていた織田浩一氏が「この本、訳して出そうと思ってるんですよ」と言っていたのをよく覚えている。とうとう出版、ということで予約し、出てすぐ読了。

ここ1,2年の、そしてこれからの広告の大変革をまとめた本で、著者独特の言い回しが多少読みにくいのだが、広告に携わるものとしては必読の一冊だろう。「崩壊する」という予言ではなく「崩壊した」という事実として語っていることを重く受け止めなければいけない。というか、これを読んで「へー」とか言っているプロがいるとしたらかなりヤバイ。書いてあることは危機意識が少しでもある人たちにとってはとても常識的なことだ。

ボク自身、トラディショナルな広告会社の"アン"トラディショナルな部署にいて、身に染みて危機感を感じているというか「背中は冷や汗でビッショリ」なのであるが、ボクは、外からではなく中からの変革を模索していきたいと思っている(間に合えば)。変化はチャンス。危機もチャンス。でもなぁ「針の穴を通すコントロールで頭をかすめるビンボールを投げないといけない」からなぁ。

2006年7月 1日(土) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:IT・ネット

LV4「iモード以前」

松永真理著/岩波書店/1400円

iモード以前
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先月「iモード事件」を読んだのは、なんとなくこの本が読みたかったからその前哨戦としてだった。ま、面白かったのだが、やはり本命と思っていたこの本の方が良かったな。iモードで成功するまでの著者の仕事遍歴、そして勤め先の「リクルート」で出会った魅力的な人々のことがくわしく書かれている。著者の肉声も前著よりはよく伝わってくる。

著者のビジネス上の成功がゴールとしてわかっているので、書き方によっては自慢になってしまう題材だが、上手にその辺の嫌味を排除してある。逆に「こういう環境とすばらしい人たちに助けられたんです」的嫌味が出てきているくらい。でも確かにいい環境だな、リクルート創成期って。どうしてもリクルート事件を連想してしまってダークなイメージになるのだが、当時のリクルートみたいな環境があれば、日本はもっと多彩な人材がいろんなところから出てきていたであろう。それを知るためだけでも読む価値はあるし、ビジネスの現場で壁にぶち当たっている人たちが読むと即効性がありそうな本でもある。ただしなんでも他者のせいにしがちな人にとっては逆効果かもしれない。

2002年10月 1日(火) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:経済・ビジネス , IT・ネット

LV4「iモード事件」

松永真理著/角川文庫/457円

iモード事件
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文庫になったので読んでみた。というか次作「iモード以前」を読みたかったので、いまさらながらにこのベストセラーを買って読んだのである。ま、順序として。
よく売れた本だし、著者もいろんなメディアで取り上げられ話題になったので、いまさら感想を書いても仕方ないが、内容は実に上手に客観化されてあり、どう仕事が進みどう著者が悩みどう成功したかがよくわかるおもしろい本だった。ビジネス書・教訓書としてよく出来ている。が、著者自身の体臭みたいなものは意外と伝わってこない。著者とその仲間たちがこう動いたから成功した、という一種の人的テクノロジーは書いてあっても、著者自身の肉声が意外と読者に届かない。というか、目的がビジネス書的なのだろうからそれでもいいのだろうが、ボク的にはちょっとだけ肩透かしをくった感じ。
著者の肉声に関心があるボクは、次作に期待。批判的に書いたが十分面白かったので「LOVE!」。

2002年9月 1日(日) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:経済・ビジネス , IT・ネット

LV2「eメールの達人になる」

村上龍著/集英社新書/660円

eメールの達人になる
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メールというメディアにいち早く注目していた著者が書いたeメールの実践的使い方講座。
メールは手紙や電話とは根本的に性格が違うということをなんとなくわかっている人はいても、きちんと正確に理解している人は少ない、ということを前提に論は進む。日々多量なメールとともに暮らしているボクにも新鮮な記述はそれなりにあり、再確認された部分もいろいろあったが、やはりこれはメール初級・中級者に向けたものだろう。数をこなせば自然とわかってくるノウハウを、文章のプロとして一度丁寧に説いてあげよう、という感じ。特に仕事でメールを多用せざるを得ない人(で、かつ、文章にあまり意識を持ったことない方)には有効な本だ。

というか、この本でイイタイコトは、「コミュニケーションでもっとも重要なのは、相手に正確に伝わったかどうかだ。つまりそのためには、どう伝えれば相手に理解してもらえるかを考えなければならない」という一文にある。例えば件名に「重要」と書いてしまう人。「この人はコミュニケーションで何がもっとも重要なのかわかっていないと思う」と著者は断ずる。これの何が悪いか、わからない人は、読むべし。
eメールの特質は関係性の排除であるとボクは思っている。電話や手紙におけるナァナァがない。理解してくれるだろうという日本人特有の甘えが通用しない。だからメールは同じ文化の土壌を持たない人との国際的コミュニケーションの訓練の場としてかなり有効だと感じている。そういう意識を再構築する意味でも有効な本である。

2002年1月 1日(火) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:実用・ホビー , 経済・ビジネス , IT・ネット

LV4「闘うプログラマー」

G・パスカル・ザカリー著/山岡洋一訳/日経BP出版センター/上下共1359円

闘うプログラマー
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副題に「ビル・ゲイツの野望を担った男達」とある。ウィンドウズNTの開発のものすごさ(死の行軍)を書いたノンフィクション。言うなれば、ウィンドウズNT版「プロジェクトX」である。
なんとなくソフト開発物語が読みたくて探して買った本だが、実は初版1994年である古い本。そのことに途中まで気がつかない辺りが、ボクのウィン系への疎さを感じさせますな ←マック派だしさ。

ま、確かにその開発行程はすさまじい。
でも「アラこの程度?」とも一方で思っちゃうくらいはボクも忙しい時期があったので、なんだろう、ある種死の行軍をしたもの同士の連帯感が出演者と読者であるボクの間に芽生えたり。はは。でも、死の行軍を終えた彼らが「疑問ももたずに長時間勤務を受けいれる純真さを失った」と書いてあるところがあるが、ここらへんは特に共感しちゃったのだった。

内容的には面白いし、マイクロソフト・オールスターズがいきいきと動き回ってくれるので、MS嫌いなボクであっても、なんとなくMSを見直したり。じぃっとプログラミングの様子を追っていたりするのでどうしてもノンフィクションとしては中だるみや退屈な部分も出てくる(だって動きがないしさ)。そこらへんが欠陥ではあるが、興味のある向きには面白い本だろう。でもラストをもう少し盛り上げてもいいと思ったな。原題は「SHOWSTOPPER!」。うぅ。個人的にドキッとする原題なんです、はい。心臓に悪いです。

2001年10月 1日(月) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:ノンフィクション , 経済・ビジネス , IT・ネット

LV2「インターネット的」

糸井重里著/PHP新書/660円

インターネット的
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著者が人気HPの運営で得た「肌感」を文章化して、ネットの本質をやさしくひらたい言葉で語っている。
仕事でもプライベートでもインターネットの現場に身を置いているボクにとっては、旧知だったり分析済みだったりする事柄が多い内容だったが(偉そう?)、一般的にはいい本だとは思う。ちょっと尻切れトンボな感じがあるけど、これまたインターネット的でいいではないか。結果までたどり着いてない感じが。そしてそれを出版しちゃうお手軽な感じが。

ボクも6年以上HP運営をやってきているので、アタマで考えただけの人より、肌感で掴んでいることは多いと思う。そういう意味での共感は多かった。やっぱり現場の言葉は強いのだ。学者の分析言葉には飽き飽きしていたからその点はうれしかった。ボク的には「消費にどれだけクリエイティブになれるか」あたりの命題が面白かったな。他のことはわりと考えていたことに近かったが、この命題はあまり考えていなかったので。

著者は「とりあえず今はインターネット的な世界についての翻訳者という位置で楽しむもんね」と目論んでいるんだろうな。昔からその辺の「場所取り感覚」はお見事の一語に尽きる。結果としてインターネット的世界の内にいる人からも外にいる人からも嫌われず、独特の立場で楽しんでいられる。ヤルなぁ、である。

2001年10月 1日(月) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:IT・ネット

LV3「それがぼくには楽しかったから」

リーナス・トーバルズ+デイビッド・ダイヤモンド著/風見潤訳/中島洋監修/小学館プロダクション/1800円

それがぼくには楽しかったから
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LINUX(リナックス)の生みの親、リーナス・トーバルズの自伝。
共著のデイビッド・ダイヤモンドと章ごとに交代して主観と客観を上手に使って織り上げた構成。まだ31才の男の自伝、しかも(皮肉な意味ではなくて)得意の絶頂にいる男の自伝なわけで、なんというか嫌味な部分もあるんだけど、この著者、やっぱり根が「オープンソース」なのだろう、自分を「たいしたことがない単なる素材」と扱って「どうとでもこの素材にパッチを当ててよ」って感じが(そのままでないにしろ)随所に感じられる。最初の1/3はちょっと嫌味な部分もあったが、だんだんその感じが読者側にじわじわ伝わってきて、最後にはなんとなくファンになってしまう。そんな感じだ。

オープンソースの演説な場面は(個人的には勉強になったが)ちょいと冗長。ま、世界11ヵ国語に翻訳されるらしいし、話題のスーパースターだから大ベストセラーは間違いないだろう。注目されるスターの自伝としては、うまく凌いだ、という印象。Mac派には辛い言葉も出てくるが、読後思わず「LINUXを導入してみたい」気持ちになったことも白状しておきます。

2001年7月 1日(日) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:自伝・評伝 , 実用・ホビー , IT・ネット

LV3「豆炭とパソコン」

糸井重里著/世界文化社/1470円

豆炭とパソコン―80代からのインターネット入門
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「ほぼ日刊イトイ新聞」での人気コンテンツの単行本化。副題が「80代からのインターネット入門」。

著者の80歳の実母が初めてパソコンに触りネットにつながるまでの顛末である。
インターネットについての著者の平明かつ鋭い分析はもちろん面白いが、なによりもイキイキ生きているミーチャン(実母)とその先生役の南波あっこさんの息づかいがたまらなく良い。そういう良さを前面に出すために題名も「豆炭とパソコン」にしたのだろう(「ほぼ日」連載時はいまの副題が題名だった)。豆炭もパソコンも、それ自体が大切なのではない。大切なのは豆炭やパソコンがある生活を楽しんでいるミーチャンなのだ。その主客転倒がいまのIT革命の最大の問題。そういうことが声高でなく生活レベルで伝わってくるところがこの本のいいところなのである(そういう意味では著者による前書き後書きは蛇足かも)。

残念なのは「つながった」ところで終わってしまう点。つながった先の生活をもうちょっとでいいから読みたい。消化不良。とはいえまぁそれは現在の「ほぼ日」で読めるからいいか。むぅ。先を読みたい方はミーチャンみたいにネットにつなぐトライをしてみてね、という深謀遠慮なのかもしれない。

2000年12月 1日(金) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:IT・ネット , 教育・環境・福祉

LV3「憂鬱な希望としてのインターネット」

村上龍著/メディアファクトリー/1400円

憂鬱な希望としてのインターネット
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「人間はなんでこんなにコミュニケーションしたがるのだろう」という実感はボクにもある。実質的には妻や子供とのコミュニケーションだけで満足している面もあるのだが、こうしてホームページやら何やらで「さもしく」「憂鬱に」コニュニケーションを広げようとしている。
そして、インターネット上でのコミュニケーションが増大すればするほど、実生活上の家族以外の人とのコミュニケーションが面倒になっていっている。人間のコミュニケート量は上限があるのか? コミュニケーションにも満腹中枢があるのか? でも満腹だけど、食欲はあるぞ。この感覚はどうなっているんだ?

人間という存在はコミュニケーションそのもの、と考えるならば、インターネットは素晴らしい道具だ。
なんやらかんやら文句を付けてこの道具を使おうとしない人たちはコミュニケーションということを軽視している。ただ、満腹だけど飢餓である、というある種の病気にかかりやすくはある。そこらへんが著者にとっても「憂鬱な希望」なのかもしれない。

1999年4月 1日(木) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:IT・ネット , エッセイ

LV2「パソコンを鍛える」

岩谷宏著/講談社現代新書/660円

パソコンを鍛える
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それなりにパソコンを知っている人のためのパソコン教科書。
OSの原理をわかりやすく解説して「パソコンのユーザーの多くが現在の完全受け身から完全攻勢に180度転換」させる狙いで書かれている。

で、その狙いは成功していると思う。説明が難しいであろう技術についても大変興味深く書かれており(かといって読者を子供扱いもしてない)、ボクにOSの成り立ちをよく理解させてくれた。最後では結局UNIX啓蒙になるのだが、ウィン・マックともに平明に見る目が養われたと思う。もうちょっと既存OSについて公平な書き方であればよりよかった。バイアスがかかっている内容に思えて、読者はちょっと警戒してしまうのだ。

1999年1月 1日(金) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:IT・ネット , 実用・ホビー

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