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雑学・その他(41)

LV4 「アフリカにょろり旅」

青山潤著/講談社/1600円

アフリカにょろり旅
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幻の熱帯ウナギ捕獲のためにアフリカ奥地に入り込んだ東大の研究者による冒険記。

とはいえ研究の書ではまるでなく(題名でわかるか)、いわゆる「爆笑紀行」的趣き。特殊すぎるその体験のすべてが事細かく書かれてあり、読者は日本のベッドで彼らの地獄の日々(そーとー地獄)をウヒヒと笑いながら追体験できる。なんていい世の中なのだろうか(笑)

世界に存在するウナギは全18種類。東大の研究室はそのうち17種を採集し終わっていた。だがアフリカに生息するラビアータという種類だけがどうしても手に入らない。それを採集するために、著者青山潤と相棒の渡邊俊がふたりで灼熱のウナギ捕りツアーを敢行する。マラウイ、ジンバブエ、モザンビーク。アフリカ南部奥地でひたすらウナギを探す毎日。次々に起こるアクシデント。灼熱。危険。焦燥。体力の限界。友情。それら全部引っくるめて「にょろり旅」。ひたすら明るい筆致が救いとなり、読者は気楽に旅を楽しめる。著者は意識していないかもしれないが、もう少しでも筆致が暗かったらと意外と読んでいて厳しかったかもしれない。そのくらい過酷さが行間に感じられた。

この本はお笑い系ではあるが、実はこのウナギ研究班、ちゃんとスゴイ。世界で初めてニホンウナギの産卵場をほぼ特定したりしている。そういう理系学者がこういうハードルの低い本を書いて研究の現場を面白おかしく紹介してくれたこと自体が素晴らしい。こういった本がもっともっと増えるといいなぁ。最先端の研究の現場ほど面白いものはない。ちゃんとボクら素人にもわかるように翻訳して楽しく書いてくれれば、これほど知的冒険に満ちた題材はないだろう。

2007年4月10日(火) 18:26:29・リンク用URL

ジャンル:ノンフィクション , , 雑学・その他

LV5「気まぐれコンセプト クロニクル」

ホイチョイ・プロダクションズ著/小学館/2310円

気まぐれコンセプト クロニクル
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1981年からコミック誌「ビッグコミックスピリッツ」で連載を続けている広告業界4コマ漫画「気まぐれコンセプト」を四半世紀分まとめてまとめた974ページの超大作。
結果的に「日本現代風俗史」的趣きになっており、これを見れば当時の流行りがすべて肌実感できる作りになっている。さすがホイチョイ。まぁ映画「バブルへGO!!」公開との連動販促的な部分もあるとは思うが、実際こうやって四半世紀分を読み返してみると実に貴重。小分けにして出さず、ドカンと辞典的に出したあたりにセンスを感じる。

「気まぐれコンセプト」は1984年にも単行本が出ている(もちろん持っている)。
このクロニクルはそれ以降1984年〜2007年までのセレクト集になっている。ボクは1985年に広告業界に入ったので、ほぼボクの入社以来の広告業界史がこの本に入っていると言っても過言ではない。もちろんホイチョイ特有のデフォルメはされているのだが(いや、本当にめちゃめちゃデフォルメされてます)、とはいえその「デフォルメ具合」がその時代の空気を表していて、これらの4コマを読むだけで相当リアルに当時の空気が思い出されるのだ。「わかるなぁ」「あったなぁ」の連続だ。

ホイチョイは他にも「見栄講座」「OTV」「東京いい店やれる店」「私をスキーに連れてって」「彼女が水着に着替えたら」などで、「その時代そのものを本やフィルムにきちんと定着させておいてくれた」。それは本当に有り難く、とても感謝している。しかもそこに変に意味を持たせず、ミーハーに徹したアプローチ。素晴らしい。並のセンスでは出来ないことである。

ま、厳しく言えば、2007年現在の「広告業界の今」を捉えきってはいないかも。少しワンパターンになりすぎている。でもそれも長く続けてきたからこそだし、ワンパターン漫才を楽しむような「味」にはなっているからいいのだが。

2007年3月21日(水) 18:53:03・リンク用URL

ジャンル:漫画 , ノンフィクション , 雑学・その他

LV5「仏像のひみつ」

山本勉著/朝日出版社/1470円

仏像のひみつ
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あ〜全部わかっちゃったよ、仏像のこと。すっきりしたなぁ。

全部ってオーバーか。もともと東京国立博物館に勤務していた著者が「親と子のギャラリー 仏像のひみつ」展を企画しその内容を本にしたもので、つまりは子供にもわかるように書かれていて、枝葉末節は省略してある本なのだ。だから1時間もあれば読めてしまうし、もちろん「全部」はわからない。とはいえイイタイコトが極限まで絞ってあり実にクレバーに整理してあるので、スコンッと頭に入っちゃうのである。

いままでこの手の本をいくつか読んだことがあったが、学術的すぎたり詳しすぎたりで、どこかボンヤリした部分が残ったものだ。わかったつもりになったというか。理解してもすぐ忘れちゃったというか。
でもこの本はもう最低限のことしか書いていない。最低限なんだけどココがちゃんとわかるとすべて理解できるという部分を短くわかりやすく書いてある。ここまで絞って整理してくれるとイヤでもわかっちゃうなぁ。もう忘れない気がするなぁ。下手に詳しいよりこういう方が結局役立つんだよなぁ。この著者、受験参考書とか書かせてもきっと名人だぞ。

もともと般若心経を覚えてしまうくらいは古寺仏閣少年だったボク。
仏像も大好きで、たとえば奈良法華寺の十一面観音なんかはアイドル視していてわざわざ何度も会いに行ったくらいなのだが(というか部屋に小さなポスター貼っていた:笑)、まぁなんと長いこと仏像のことを理解せずにいたことか。近場の鎌倉でも行って、もう一度いちからいろいろ見てみたい気分。この本と「仏像は当時のロックスターだ」という珠玉の切り口の「見仏記」あたりを娘に読ませて、一緒に古寺仏閣めぐりをしてみたいものだ。めっちゃ老人くさいけど。

2006年12月27日(水) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:アート・舞台 , 哲学・精神世界 , 雑学・その他

LV5「ココロミくん」

べつやくれい著/アスペクト/1000円

ココロミくん
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人気サイトデイリーポータルZには人気ライターが何人もいるのだが、その中でもボクの一番のお気に入りである「べつやく れい」による連載を単行本にしたもの。

題名通り、いろんなココロミをするものである。
「逆さまになって食べても胃に入るのかココロミる」「頭にバックミラーをつけたら便利かココロミる」「ルーズソックスで人文字になることをココロミる」「キューキューいうサンダルの工作をココロミる」「ガンコなラーメン屋に叱られることをココロミる」……って、こう書くとつまらないな。でも実際はとても面白い。彼女の目の付け所とセンスが素晴らしい。デイリーポータルZ自体が脱力系「大人の実験室」なので、基本は実験&工作であるのだが、そこに彼女の絵と独特のセンスが入り込むといきなり数倍面白くなるのである。

マンガには実写が縦横無尽に組み合わされ、読んでいて飽きない構成になっている。まぁサッと読めてはしまうのだが、べつやくファンにはたまらない一冊。ちなみに著者はあの別役実氏の娘さんらしい。

2006年11月 1日(水) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:漫画 , 雑学・その他 , ノンフィクション

LV3「成功者の告白」

神田昌典著/講談社+α文庫/781円

成功者の告白―5年間の起業ノウハウを3時間で学べる物語
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副題は「5年間の起業ノウハウを3時間で学べる物語」。
あるトップ漫画家さんが薦めているのをどこかで読み、なんとなく買った本。この手のノウハウ本はあまり読まないので最初は戸惑いがあったが、至極真っ当な内容だった。

著者がコンサルのために1万人以上の経営者にあった結果導き出された「成功のパターン」「失敗のパターン」を元に、ある普通のサラリーマンが独立して成功するまでを小説化した物語なのだが、どんなデータを元にパターン化を読み取ったかの根拠がないためにどうしても眉唾っぽいのがこの本の最大の弱点。裏付けがないのに裏付けがある風に書いたら、そりゃ眉唾っぽく読めるのも仕方がない。プロローグやエピローグでそういう箔つけをしすぎたのはちょっと逆効果だったと思う。

内容的にはなかなか頷けるもので、実際いくつか自分の人生に取り入れたいと思わされた。会社を経営している人、これから独立したい人、経営で行き詰まっている人、などにはヒントがたくさんもらえるいい本だと思う。

2006年10月 1日(日) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:経済・ビジネス , 雑学・その他

LV3「間取りの手帖」

佐藤和歌子著/リトル・モア/950円

間取りの手帖
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文字通り「間取り」のみの本。
チラシとか賃貸ニュースとかに載っているマンションとかの間取り。膨大な量にのぼるそれらの間取り集から、めちゃくちゃヘンテコな間取りだけを取りだしてまとめたのが本書なのだ。

こんなところに本当に人が住んでいるの?と疑問に思うような変わった間取りを1ページにひとつ収録してある。そして気の利いたコピーがひとつ(コピーの出来がとてもよい)。著者は賃貸ニュースとか細かく細かく見続けたのだろうなぁ。でないとこういうコレクションは出来ない。そういう意味では(きっと趣味なのだろうが)大労作。だってさ、一目で「変な間取り」とわかるものばかりではないのだよ。よーく見てよーく考えて「あ、あれ?」と気づく変な間取りも多いのだ。

この本の遊び方としては、コピーを隠してまず間取りをじっと見る。そしてその「変」な部分をじっと探す。自分が住んでみた身になって想像をいろいろ働かせる。そして「あっ!」と気づく。「なんだこの間取り〜!」と大笑いする。そんな遊びをやってると日曜なんてあっという間です。そういう本。おすすめ。

2003年9月 1日(月) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:雑学・その他 , 写真集・イラスト集

LV3「落語と江戸風俗」

つだかつみ・中沢正人著/教育出版/1700円

競作かわら版 落語と江戸風俗
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ムック本。
江戸のかわら版みたいな構成にしてあり、代表的な落語の解説を江戸風俗解説にからめながら豊富なイラストとわかりやすい文章で実に事細かに教えてくれる親切な本。

有名な落語の筋はわかるわ、背景はわかるわ、当時の道具やファッションもわかるわ、遊郭や髪結床の仕組みも絵付きでわかるわ、土地勘までつくわ、名人たちのくせまでわかるわ、まぁなんつうか、おせっかいなくらい親切な本だ。
イラストがアイデア豊富にまとめてあるので、たとえば当時の吉原の地図と現代の地図が比べてあったり、落語に興味ある人にはとっても役立つ本。帯で林家たい平が「師匠のこん平はこんなに優しくていねいには教えてくれなかった。皆さんにはそっと教えます。私の本当の師匠はこの一冊です」と書いているが、確かにそんな感じの本である。落語好きはわりと必携かも(ただし初級者中級者)。

2003年8月 1日(金) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:アート・舞台 , 雑学・その他

LV5「温泉教授の温泉ゼミナール」

松田忠徳著/光文社新書/680円

温泉教授の温泉ゼミナール
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この本はショッキングだった。もう温泉になんか入れない、とすら思った。
だって、なんの疑問もなく浸かっていた温泉たちが、実は「ヘドロのような単なる汚いお湯」だったなんて…(!)。

問題は循環湯である。温泉の使い回し。人が入ったあとのお湯を濾過して何度も何度も使っているのである。で、夜中に循環装置を止めると、湯船のお湯はヘドロ状になるという。そして朝にまたスイッチ入れると30分ほどで透明なお湯になるというのだ。うげげげげ。そこに入って顔とか拭いてたのかよーーー! 循環装置が湯船もしくは排水溝についている温泉宿はほとんど全滅。ヘドロ湯に浸かって「はぁ〜極楽ぅ〜」と言っていたと思って良い。また、源泉量が少ない温泉地帯で必要以上に温泉宿があるところもやばい。町をあげて循環している場合が多いというのだ。うあー。なんということ……。

もう二度と温泉なんか行かない、とすら思い込んだが、日本にもまだまだ循環湯に侵されてないちゃんとした温泉宿があるという。それはどこなのだー!と思っていたら、同じ著者がちゃんとそういう本を出していました。それが次に取り上げた「カラー版温泉教授の日本全国温泉ガイド」。

2003年5月 1日(木) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル: , 雑学・その他 , 実用・ホビー

LV5「落語的生活ことはじめ」

くまざわあかね著/平凡社/1400円

落語的生活ことはじめ―大阪下町・昭和十年体験記
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副題は「大阪下町・昭和十年体験記」。
著者は落語の台本を書く仕事をしている。で、「台本書いていてカンテキや火鉢、箱膳などの道具の細かい点がよくわからない。他の小道具でも使ってみてはじめてわかる発見があるのではないか…。それじゃぁ落語的な古い生活をしてみようではないか!」と思ったがこの本のキッカケ。

具体的には(江戸時代的生活はさすがに無理なので)昭和十年と設定。
冷蔵庫なしテレビなし電話なし。電球は40ワット。昼は着物。寝るときゃ浴衣。銭湯使って足りない物はご近所や大家さんに助けてもらう。ご飯は羽釜、おかずはカンテキ(七輪)で作る。机の横には火鉢があって、かけてあるヤカンからは常に湯気がシューシュー……それを一ヶ月やってみようというのだ。すばらしい。そういう発想大好き。で、そういう発想をするヒトだもの、本も当然おもしろい。日記風のルポになっていて一緒に昭和十年に生活しているようである。厳しく言うと、終わり方が中途半端なのと、どうせなら最低半年、そして厳冬も体験してほしかったと思うのだが、読者のわがままだな。充分おもしろいし、自分でもやってみたくなる。

たった65年前、日本人はみなそういう生活をしていたのだが、 いまそれをしようと思うとぶち当たる壁が非常に多いのもよくわかる。死語かつ死道具のいかに多いことか。日本が過去の豊かな価値観をいかに惜しげもなく捨ててきたかをわかると同時に真の豊かさとは何かを考えるキッカケになる。はやりのスローライフ的読み物としても秀逸。オススメ。

2003年2月 1日(土) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:エッセイ , アート・舞台 , 雑学・その他

LV1「ぬるーい地獄の歩き方」

松尾スズキ著/文春文庫/514円

ぬるーい地獄の歩き方
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面白い。世の中にある「公然とつらがれない地獄」、つまり「ぬるい地獄」に焦点を当てて、ぬるい地獄のまっただ中にいる人(もしくは経験者)と対談しながら、そこでの地獄のぬるぬる具合を楽しむ、という企画自体がまず面白い。

たとえば「子役」の世界。
どうやら地獄らしいが、公然とした地獄ではない。いったいどういう世界なのだ?みんなどこに消えた?そして消える前になぜ太る? そんな疑問を胸に著者は子役出身の訳者にインタビューしていく。「ぬるい地獄ってなんだ?」と読者は思って読み始めるが、読み始めてさえしまえばその意味はすぐわかる。そんな説明しがたい環境に、著者ははじめて焦点を当てた……。

そう、企画は面白いのだ。だが、出てくるテーマがどれも突っ込み不足でもうひとつなのがこの本の難点。惜しい。企画は最高なのに…。痔や若ハゲや付き人はわかる。ぬるい地獄だ。が、メディカルアートってなんだ? いじめや失恋は本当にぬるいのか? もっと他にテーマはないのか?
とても好きなタイプの本なだけに惜しいなぁ。いくらでも突っ込める題材なのに。倍くらい厚くして、テーマもより吟味して、改訂版を出して欲しいと切に望むボクなのである。

2002年5月 1日(水) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:エッセイ , 雑学・その他

LV5「若山弦蔵のバックグラウンドミュージック」

TBSラジオ編/コスモの本/1900円

若山弦蔵のバックグラウンドミュージック―365日にんげん歳時記
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パーソナリティ:若山弦蔵、スクリプト:かぜ耕士、選曲:大江田信。副題「365日にんげん歳時記」。

この本はTBSラジオの長寿番組「若山弦蔵のバックグラウンドミュージック」の放送で使われた「今日はこんな日」的歳時記ネタを、1日1ページとして365日分集めたもの。放送を知っている人はもちろん、放送を聴いたことない人も楽しめる雑学の集大成となっている。

たとえば4月1日のページを見てみると、「ザ・ピーナッツ」が生まれた日として、彼女らの履歴やカバー曲、映画「モスラ」における小美人役などについても詳しく触れられていて、その舞台がインファント島であるなどという細かいこともきっちり調べられて書かれている。細部に神が宿ることをしっかり知っているプロフェッショナルなスクリプトライターの存在が大きい。しかもこれは本文で、その下にある脚注にはもっと詳しい情報や、4/1に生まれた有名人書かれていたりする。選曲から参考文献まで、心配りが異常な本。超労作だ。

こう書くと辞典的に思われるかもだが、そうでは決してない。読んで面白い本になっている。一日ひとつ、ゆっくり楽しめる本なので1900円はお得に感じる。読んでいると人生のいろんな話題がキレイにつながって感じられてくる。単なる辞典ではない証拠であろう。実は出版に当たって出版社を紹介するという協力をしたので書評しにくいのだが、雑学やネタ本が好きな方にも、小さな読み物が好きな方にもオススメ。

2002年4月 1日(月) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:雑学・その他 , 音楽 , 映画・映像

LV4「トンデモ本の世界R」

と学会著/太田出版/1480円

トンデモ本の世界R
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トンデモ本シリーズの最新作である。相変わらず痛快であるし、情報を鵜呑みにせず何事も疑ってみるという「知性の第一歩」をあらためて認識させてくれる本である。

UFO本や宇宙人本、超能力本が特に取り上げられがちのトンデモ本の世界であるが(もちろんそれらは定番として取り上げられているが)、この本では、小林よしのりの「戦争論」や週刊金曜日の「買ってはいけない」をはじめ、大藪晴彦や落合信彦、果ては三島由紀夫までトンデモ本として取り上げられている。

論旨は明快。活字や映像を信じがちな自分たちの意識に猛省を迫られる。と同時に、このトンデモ本解釈自体がトンデモである可能性もちゃんと持たないといけないことにも気付かされる。つまり「自分の知性でちゃんと調べ、信じたこと以外、ぜ~んぶ疑ってかかれ」ということだ。情報に溢れているこの世の中を生き抜いていくに必要な最低限のリテラシーなのかもしれない。大変だけどねー。

2001年12月 1日(土) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:評論 , 科学 , 雑学・その他

LV5「新・トンデモ超常現象56の真相」

皆神龍太郎・志水一夫・加門正一著/太田出版/1480円

新・トンデモ超常現象56の真相
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正式には「と学会」の出版物ではないのかな。まぁ著者のうちふたりが「と学会」であるし、題名もトンデモが入っているからそう取ってもいいだろう。トンデモ本のファンであるボクとしては不覚であるが、この本の前に「トンデモ超常現象99の真相」という本が出ていたらしい。その続編にあたる本書だが、続編でもこんなにオモシロイ。

「と学会」のイイタイコトはひとつである。「メディアを信じるな!」である。活字もTVも絶対信じるな、である。それらは我々を愚弄している。その証拠上げがこの本のようなシリーズなのだ。
なにしろTVのバラエティ番組のウソのつきかたは尋常ではない。視聴者をバカにしているどころの騒ぎではない。「ここまでウソついて何のおとがめもないの?ウソでしょ?」の連続だ。超有名な霊能者(クロワゼットやカスタネダら)の経歴の真っ赤なウソさ加減も絶句もの。どうしてこうぬけぬけとウソがつけるのだろう? UFOや宜保愛子の大ウソ、涙を流すマリア像や新しいところでは岐阜県富加町のポルターガイスト事件への疑問まで非常にクリアに晒してくれる。

ある意味大変な労作であるが(資料の裏取りとか)、この本が言うように活字を信じるなであれば、この本の内容も疑ってかかるべきであり、一概にすべてを信じるわけにはいかない。ただ、何事も疑ってかかる、という知性的な習慣をつけるいいキッカケになるという意味では大オススメである。

2001年11月 1日(木) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:雑学・その他 , 科学 , 哲学・精神世界

LV1「動物の言い分 人間の言い分」

日高敏隆著/角川oneテーマ21/571円

動物の言い分 人間の言い分
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この手の自然科学系もしくは動物科学系の本は興味深くて好きなのだ。日常から遊離できるし想像も膨らむ。この本も導入部はなかなかに良かった。お、面白いなと思った。人間の論理から見たものではなく、動物独自の論理を追っていくように見えた。でも、なんとなく拡散していってしまうのが残念。途中から普通の「事典」風になっていってしまうのだ。

動物のコミュニケーションの仕方をわかりやすく書いてくれているのは興味深い。事実がいろいろ書いてあるのはいいのだ。でもそれだけなのが残念。事典を読みたいのではなくて、そこから導き出せる動物の言い分について、もうちょっと主観的なコメントを多く欲しかった。もう一歩こちらの想像力を刺激する部分がほしいのだ。新書ならでは、の。

学者さんがおもしろ優しくテーマを掘り下げた、にとどまっている気がする。それでいいじゃんと言われればその通り。でもボクはそこにもうひとつエンターテイメントの付加を求めたい。テーマを掘り下げるのは、もうネット内でタダで読めるような時代になってきた。売るからにはプラスワンがほしいのだ。

2001年10月 1日(月) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:科学 , 雑学・その他

LV3「もしも宮中晩餐会に招かれたら」

渡辺誠著/角川oneテーマ21/571円

もしも宮中晩餐会に招かれたら―至高のマナー学
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副題は「至高のマナー学」。
一見堅苦しいマナー集のようだし、だいたい「宮中晩餐会になんか招かれるかい!」ってな感じで、なんか読む気も失いそうであるが、読み始めるとそんな先入観を覆し、なかなか楽しめる。

ええ、ボクだって宮中晩餐会に招かれる可能性は確実に0%だ。でも、ここまでちゃんとシミュレートしてくれると、なんか新しい世界が開けたみたいで興味深いのだ。
そう、実用なんか関係ない。なるほど日本の頂点たる宮中晩餐会ってこういう風に進行し、こういう風に料理が出て、こういう用意がいって、こういう喜びがあるのね、と知れるだけでも楽しいではないか。
著者は元宮内庁管理部大膳課主厨。晩餐会で料理を作った彼によるバーチャル晩餐会。知らない世界を知れるという意味だけでもなかなか面白いよ。

2001年6月 1日(金) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:食・酒 , 雑学・その他

LV4「ツキの法則」

谷岡一郎著/PHP新書/657円

ツキの法則―「賭け方」と「勝敗」の科学
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先月読んだ「『社会調査』のウソ」が面白かったので、同じ著者の本を購入。
クレバーで的確な切り口、そして分析は相変わらず面白い。ボクが賭事好きであれば読み方も変わり、当然三ツ星ってことになったかもしれない。でもいかんせんボクは現在ほとんど賭事に手を出していないので、中盤の各ゲーム別具体的分析あたりがちょっと退屈であった。仕方ないけど。

科学的、統計学的に巷で言われているいわゆる「ツキ」というものを次々切り捨てていく展開は見事。ツキの正体が豊富な実例と考察でしっかりあばかれている。そして「確実に勝つ方法はないが確実に負ける方法」はある、と断定し、ギャンブル本来のスリルや楽しさを損なわずに「大負けしない方法」は存在すると導く。

著者が統計バカでないのもうれしい。筋金入りのゲーマーなのだ。コントラクトブリッジ全日本学生リーグ委員長だった経歴すら持っているのである。そういうゲームの流れの機微を知ったうえでのツキの科学。興味ある向きにはオススメである。

2001年5月 1日(火) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:科学 , 雑学・その他 , 実用・ホビー

LV1「さんずいづくし」

別役実著/白水社/1600円

さんずいづくし
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本屋で立ち読みしたときは「これは面白そう!」と思ったのだが、購入していざじっくり向き合うとちょいとううむ…。

さんずいがついた漢字を48文字取り上げて、それについてひとつ数頁ずつ考察(エッセイ)する構成だが、そこは別役実、たんなる漢字ウンチクにとどめない。なんというか「フィクション」が入るのだ。つまりウソが入る。デタラメも入る。真実も入る。その辺の微妙なバランスを著者は「どうよ?」とばかり楽しんでいるのだが、読者であるボクは「別に?」という感じでいまいち面白くなかったのでした。

なんだか頭のいい人が自分の頭の良さ具合をひけらかしているような印象が残ったのが特に残念。そんな人でもないと思うのだけど・・・。あまりあざとくしない「さんずいエッセイ」を勝手に期待したボクも悪い。うん。

2001年5月 1日(火) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:エッセイ , 雑学・その他

LV5「『社会調査』のウソ」

谷岡一郎著/文春文庫/690円

「社会調査」のウソ―リサーチ・リテラシーのすすめ
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新聞や雑誌、テレビはもとより学会誌に至るまで、「○○の調べによると△△が□%にものぼることがわかった」みたいなデータが横行しているが、それの過半数はゴミである、と断言している本。ゴミというか「ウソ」だな。

例を実名を上げて豊富に紹介し、そのいちいちをどこがどうウソなのか分析し、巻末には「じゃーこのデータはどこがウソだかわかりますか?」みたいな例題までついている。
データを解釈者の都合のいいように解釈している例が世の中にここまで多く存在し、それをわれわれはいかに疑いもせず信じ込んでいるか、がよくわかる本である。つうか、大新聞やテレビが堂々と発表しているんだから、まぁ端から疑わない人が多いよなぁ。でもよく考えたら確かにデータなんて作為を持たせればいくらでも作為を作れるもんなぁ。いままで疑わなかった自分の方が悪いのだ(たまにトンデモ的なデータもあるから疑うことは疑うが、ここまでしっかり考えたことはあまりなかった)。

とある掲示板で勧められて読んだが、面白かった。
この著者の他の作品も読んでみようと思う。副題は「リサーチ・リテラシーのすすめ」。リテラシーという言葉はこの頃よく使うね。直訳すれば「読み書き能力」。基礎能力、みたいなことかな。

2001年4月 1日(日) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:評論 , 科学 , 経済・ビジネス , 雑学・その他

LV5「誰も教えてくれない聖書の読み方」

ケン・スミス著/山形浩生訳/晶文社/1800円

誰も教えてくれない聖書の読み方
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実に面白い。
聖書がいままでいかに都合の良い部分だけ取り出されて脚色ふんだんな読み方をされてきたか、がまったくよくわかる。いろんな脚色をゼロにして「聖書原典を書かれているとおりに読んでみるとどうなるか」がこの本で明らかになるのだ。こ、こんなトンデモ本を西洋は長きにわたり繰り返し読み信じてきたのか! 神様ってこんなに残虐非道で心根の狭い自意識過剰オヤジだったのか! イエスやパウロってこんなイカサマっぽい奴らだったのか! き、教会の神父って本当に最初から最後まで聖書を読んだことあるのか? き、キリスト教って…ダイジョブなのか? など、ちょっと愕然とする思いだ。

当然キリスト教徒たちから轟々たる非難がまきおこってるらしいが、著者はシラッと「だって聖書にそのとおりに書いてあるんだもん」と自信たっぷりに言うだけらしい。
そう、著者はただ現代風視点から読み進めただけなのだ。なるほどー。ボクは「マンガ聖書」は読み通したことがあり筋はだいたいわかっているつもりであったが、いま思うとキリスト教に都合のいい部分だけ抜き出したまとめ方だったのね、あれ。

この本をよりユニークにしているのは「アイコン」の存在。
例えば出エジプト記のこんな場面。「神さまはモーゼに、神の祭壇には絶対に階段をつくるなと命令。階段をのぼってる人の性器が見えちゃうかもしれないから」てなところには「なんじゃそりゃ?」アイコンがついてたりするのだ。他に「残念でした」とか「おいおい」とか「おせっくす」とか(旧約はセックス描写だらけ)、いろいろついていて面白い。

ちなみに訳もよい。著者の言い逃げ感がよく出ていて良い。あ、ちなみに聖書を最初から最後まで読まされちゃう本ではないです。聖書のトンデモナイ部分を抜き出してあるからとっても読みやすい。その点は大丈夫。オススメ。

2001年3月 1日(木) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:哲学・精神世界 , 雑学・その他 , ノンフィクション

LV1「キミは他人に鼻毛が出てますよと言えるか」

北尾トロ著/鉄人社/1238円

キミは他人に鼻毛が出てますよと言えるか
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要は表題の如く、勇気を持って誰かに何かを言うときにヒトはどういう行動をとるか、を著者自身が実験台になってやってみてルポしたもの、である。
「死ぬほどまずい蕎麦屋に『マズイ』と伝えてみる」とか「友達に貸した2000円を『返せ』と言ってみる」とか「電車で知らないオヤジに『飲もう』と誘ってみる」とか、まぁかなりの勇気がいる題材を14編、自己実験してみている(中にはつまらない題材もあるが)。

企画、題材、文章のとほほ味、それぞれ良い。でも著者自身が妙に小心者かつ普通のヒトを演じてしまっていて、そっちの方面から読者の共感を引き出そうとしすぎているのが残念だ。こういう本は著者が破天荒な演出をした方が面白いのだ、きっと。例えば西原理恵子にこの手の本を書かしたら、きっと5倍は面白いものにしていただろう。読者におもねず、著者の勢いで読者を引きずりまわしていたら、きっともっと面白くなったと思う。企画がいいだけに、ちょっと残念。

2001年2月 1日(木) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:雑学・その他 , ノンフィクション

LV5「46億年の100大ニュース」

渡辺健一著/フジテレビ出版/2000円

46億年の100大ニュース
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あまりに「読めない」状態が続いていたので、昔読んで超絶に面白かったこの本を本棚から引っぱり出して再読。結果、やはり名著であることを確認。いやいや、やっぱり面白かった!

これって1993年初版だからもう古本屋でしか手に入らないかなぁ。
著者は放送作家であり、このネタ自体フジテレビ(当時全盛)で5時間スペシャルとして流されたものを全面的に書き下ろしたもの。放送自体は見ていないがたぶん本の方が出来はいいだろう。なにしろ「驚きと発見」の連続なのだ。ヘタに映像がない方がイメージが広がって面白いし、テレビと違って何度も反芻できるではないか。

内容は「地球史上100大ニュース」である。
ただ、視点として面白いのは「今のボクたちから見た大事なニュース」であり、歴史上大事なニュースとは一線を画していること。しかしまぁ、過去のあの事件が現在のボクたちの生活にこういう風に影響を及ぼしているのねーと驚くことしきり。今現在の生活がすべて歴史的裏打ちのもとに総括できる快感。歴史的考証がちゃんとなされていないものもあるかもしれないが、ざっくりと断言した蛮勇はとても評価できる。文章も実に軽く平明。ちょっとホイチョイが入っていて、ボクたちにはちょうどよいのだ。こういう風に歴史を教わったら、どんな子供でもついてくるだろうなぁ。

いろんな意味で大変な労作である。なぜもっと評価されないのだろう。持ってない人、読んでない人、すぐ古本屋へ走れ!!

2000年11月 1日(水) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:ノンフィクション , 雑学・その他

LV3「パソコンが奪った漢字を取り戻せ!」

守誠著/サンリオ/1000円

パソコンが奪った漢字を取り戻せ!―漢字練習ノート
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企画の勝利。つうか、待ってたな、こういう本。副題は「漢字練習ノート」。そのまんま。つまりパソコンユーザーが忘れてしまいがちな漢字をセレクトして、書きこんで練習もできる形態にしあげている。うん。いいいい。他にもあるのかもしれないけど、ボクは初めて出会った。

とにかく、会社でも家でもキーボード中心になってしまったボク。だって文字書くのの数倍早いんだもの。だからたまに文字を書くと、その「漢字を忘れている度合いの激しさ」に愕然とするのである。漢字は得意中の得意だったのに、いまや読めるけど書けない漢字がいかに多いことか! パソコンは確実に漢字力を奪うのである。

この本の優れているところは、ただの漢字練習帳ではなくて、「パソコンの画面から正しいものを選びだす漢字力」とか「ちょっと考えてしまう小学生漢字」とか「よく間違えるオフィスの中で使う漢字」とかいう、その切り口の素晴らしさと、選んである漢字の程の良さ、だろう。ほんの数時間、この本に向かうだけで、急に自信が取り戻せる。いざという時恥を書かないためにあなたもこの本を漢字練習で汚してみない?

2000年9月 1日(金) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:教育・環境・福祉 , 雑学・その他

LV3「歴史 if 物語」

井沢元彦著/廣済堂文庫/552円

歴史if物語
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新幹線出張の時間つぶしに買ったのだが、わりと面白かった。
二部構成で、「手紙で綴る日本史」と、表題の「歴史 if 物語」。「歴史 if 物語」は例えば「もし黒船がやってこなかったら」とかそういうifをいろいろ書いているもので、それが面白そうだから買ったのだが、結果的には第一部の「手紙で綴る日本史」の方が面白かった。日本史に残る名手紙文をひとつずつ抜き出し、そこから歴史を説いていったものだが、著者は歴史の捉え方がクリアであり、それがとても刺激になったのだ。ごちゃごちゃ言わずにクリアに断言する感じはとっても共感した。井沢元彦、なかなか面白し。

それに反して第二部は知的興奮が少なく、なんだか安い予想屋みたいな感じの連続で、だからどうした、が多かったな。
誰が書いても面白くないのかもね、ifって。よっぽど荒唐無稽な未来にならないと、なんだかがっかりしてしまうのがガンなのだ。クリアに歴史が見通せるヒトほど、ifの答えを書かせるとつまらないものを書くのかもしれない。トンデモ本系作者の方が、実は面白いのかもしれない。

2000年4月 1日(土) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:雑学・その他

LV4「芸能界一発屋外伝」

宝泉薫編著/彩流社/1200円

芸能界「一発屋」外伝―“笑いと哀しみ”の一発屋ワールド
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労作。前作「歌謡界一発屋伝説」よりもずっと面白い。

前作は歌謡界の一発屋について書いているが、たぶん歌謡界の方が得意分野だったのだろう、ちょっと読者レベルに合わせて手加減したような所があった気がする。今回の芸能界全般編は、逆に目一杯がんばっている感じ。これでもかこれでもかと雑学的オタク的知識をぶちこんであり非常に読み応えがあった。お笑い、ドラマ、CF、お色気、文化人、異能者…、いろんな分野での一発屋たち。一発屋に対する愛も充分に感じられてとてもいい。(中谷彰宏を「著者が唯一、本当の一発屋になってほしいと願う男」と位置づけているあたりも共感)

ただこの感想は単にボクが「芸能界全般より歌謡界の方が圧倒的に詳しい」ということも影響しているかも知れない。
前作についてボクは「題材によっては突っ込み不足」などと偉そうに書いているが、芸能界編も詳しい人に言わせるとコッチも「突っ込み不足」な部分があるのかもしれない。それはわからない。ボクにとってはコッチの方が熱を感じたし感心させられるところが多かった、ということ。

2000年2月 1日(火) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:雑学・その他 , 映画・映像

LV5「ムツゴロウの動物交際術」

畑正憲著/文藝春秋/1524円

ムツゴロウの動物交際術
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以前畑さんの家で「そのマジックみたいな動物の手なづけ方をそのうち公開してください」とお願いしたら「いま書いているんですよー」とおっしゃった。あれから3年。そんな本が出たらすごいものだ、と思っていたらついに出た。

「この本では僕の企業秘密をすべて公開している」と書いているだけあってまさに秘伝の技がそこかしこ。動物とつき合うのと人間とつき合うのとはそう違いはないのだなという不思議な実感も最後にはあってなかなかに深いのであった。最後の方が少しダレルが、全体に動物とのつきあいのノウハウは世界一盛り込まれていると思う。

いま著者はテレビとかからちょっとキワモノ的に扱われているところがあるが、動物関係学においては世界でもトップクラスの知識&現場のノウハウを持っている天才。もうちょっと評価されてしかるべきである。

1999年10月 1日(金) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:雑学・その他 , エッセイ , 実用・ホビー

LV2「買ってはいけない」

週刊金曜日5月21日号増刊/1000円

買ってはいけない
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いまや大ベストセラーですね。
企業が出している商品について添加物やら製品上の問題やらを暴き「おすすめできない」と断じた「週刊金曜日」人気のシリーズを一つにまとめたもの。広告を取っていない雑誌だからこそ出来たシリーズで(スポンサーから圧力がかからないから)、こういう草の根アンチテーゼ的情報はいままでメジャーになったことがないからそういう意味ではとてもいいことではないかと思う。こういう情報が一方で拮抗してこそ、民主主義国家なのだ。

が、そういう意味で、こういう本こそ無批判に読んでしまいやすいから注意が必要だ。アンチテーゼ的なものは耳に心地良いのだ。大企業が出している商品が「必ずしも正しくない」ことと同様に、この本が言っていることも「必ずしも正しくない」だろう。それを自覚した上で客観的に「こういう見方もあるのか」と冷静に読むべき本である。

この本の大きな主題は「疑え!」ということだと思う。ヒット商品を疑え。みんなが使ってるからって信用するな。CMも疑え。自分で自分の身を守る知識を持て。自覚を持て。…つまりは、この本の内容も「疑え!」なのだ。この本の主題を理解するならそういうことだ。我々はこうして成熟した消費者になっていくべき。「At Your Own Risk」こそ、消費の原点である(民主主義の原点でもある)。

1999年8月 1日(日) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:雑学・その他 , 実用・ホビー , 健康 , 教育・環境・福祉

LV1「灰に謎あり」

小泉武夫著/NTT出版/1500円

灰に謎あり―酒・食・灰の怪しい関係
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沖縄の本を書いていて(「胃袋で感じた沖縄」さとなお著/コスモの本/1500円/6月20日頃発売)、沖縄そばの項で「灰汁」の不思議にぶちあたった。

それで灰に興味を持って、本屋で見つけた本がこの「灰に謎あり」。
灰と生い立ち、灰と料理、灰の恵み、灰の効能、灰の恐怖などなど、灰にまつわることをかなりの専門性をもって追っており、昔から人はこんなに灰に関わって生きてきたんだなぁ、と感慨を持つことは持つのだが、それ以上でもそれ以下でもない。研究論文とエッセイの中間の中途半端さも手伝って、なんだか物足りない。読んでいて快感がないのは題材が地味なせいかな。よく調べて書かれてはいるのだが…。

ちなみに「沖縄そばと灰汁」についてはまるで触れていなかった。そのことも個人的には残念。

1999年6月 1日(火) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:食・酒 , 雑学・その他

LV3「歌謡界一発屋伝説」

宝泉薫編著/彩流社/1200円

歌謡界「一発屋」伝説
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いつか誰かにやって欲しいなぁ…誰もやらなかったら自分でやろうかなぁ、と思っていた企画。やっと出たか、という感慨だ。

70年代・80年代の一発屋たちをテーマ別に取り上げ詳しく検証している物で、題材によっては突っ込み不足と思われるが(ボクみたいなオタクに言わせると、だけど)全体的にはとてもよく出来たバランスいい仕上がりだ。
詳しすぎる人には不満だろうけど、上手に一般向けになっているのだ。ただ、じゃぁ詳しい人より一般人の方が買うのか、と言うとそれは違う気もするので、もっともっとマニアックに走ってみても良かったかもしれない。

とにかく、懐かしくなってしまってカセットを家捜しして聴きまくってしまった。

1999年3月 1日(月) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:音楽 , 雑学・その他 , ノンフィクション

LV4「見仏記 海外編」

いとうせいこう・みうらじゅん著/角川書店/1900円

見仏記 海外篇
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「見仏記」のファンとしては海外編も当然読む。

古寺仏閣少年だったボクは仏像に対してある種の愛情を捧げてきたが、みうらじゅん氏のような卓越した仏像の捉え方は、自分の中の仏像観の崩壊であり、そしてなにより「物事を自分の視点で見ること」の象徴でもあった。それまで世間一般的な仏像の見方をしていたボクは、それほど彼の仏像の見方にショックを受けたのである。そのショック以降、「見仏記」はボクの中である種特別な位置を保っているのだが、これはその海外編。韓国・タイ・中国・インドと、仏像伝来逆ルートを歩いて行く。

いとうせいこう氏の文章が海外取材のせいかがんばっちゃっていて少々理屈っぽくなった気もするが、みうら氏は相変わらず肩の力が抜けていて良い。今月タイに出張しておきながら(仕事の忙しさにかまけて)仏像をあまり見なかった自分が疎ましくなる。

1999年2月 1日(月) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル: , エッセイ , 雑学・その他 , アート・舞台

LV3「死語コレクション」

水原明人著/講談社現代新書/800円

「死語」コレクション―歴史の中に消えた言葉
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副題は「歴史の中に消えた言葉」。
いわゆる死語の辞典風なのだが、別に50音順になっているわけではない。この本がユニークなのは、明治天皇崩御から時系列を追って死語を追っていることで、項目ごとの死語の解説もきちんと読み物になっている。つまり1ページ目から読んでいって最後まで、順に読んでいくと日本の近代史が浮かび上がってくる構造になっているのだ。しかも順に読んでいくことがあまり苦痛にならないのがいい。

難点は近代史を浮かび上がらせようとするあまりなのか「おい、これはまだ死語ではないだろう」というような言葉が数多く見られること。「死語認定」は難しい作業だろうが、勝手に殺された言葉たちはちょっと可愛そう。

1999年2月 1日(月) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:雑学・その他

LV3「新解さんの読み方」

鈴木マキコ著/リトル・モア/1500円

新解さんの読み方
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「新解さんの謎」を読んだことがある人ならわかると思うけど、あそこにSM嬢というのが出てきたよね。何を隠そう、その方こそこの本の著者。攻めの辞書新明解国語辞典ブームの火つけ役はまさにこの方なのだ。

この本はあの名作「新解さんの謎」よりも一段と詳しく読みほぐした専門書の趣。一見それぞれのワードについて言及しているだけのように見えるけど、実は著者は「新解さん」と対談しながらエッセイをものにしているという知能犯。やり手だ。

いずれにせよ、四版と五版の比較を始め、気の遠くなるような手作業のすえに生まれた本であることは間違いがない。労作に見えない労作。新解さんに興味がある人にはたまらない魅力を有するが、ちょっとくどいと言えばまぁくどいかな。ボクは楽しめた。

1998年6月 1日(月) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:エッセイ , 雑学・その他

LV1「カスハガの世界」

みうらじゅん著/講談社/1600円

カスハガの世界
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「週刊モーニング」連載時から大変楽しみにしていた読み物。
カスハガとは「カスのような絵ハガキ」のことで、とにかく異様に腰が砕けるカスハガが満載されている。コンセプトや良し。発見や良し。非常に好きな世界である。
ただ、読み終わって、どうしても「は?それだけ?」というカスな気分に陥る。もっとなにか突っ込みようがないのだろうか……まぁないか。というか、カスの腰砕けを説明したりエッセイにしたりするのも、本格的カスとは言えないだろう。仕方ないのかも。
とにかくカスな本だが、そういうコンセプトな本なのだからカスでいいや。

1998年5月 1日(金) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:写真集・イラスト集 , 雑学・その他

LV1「醜形恐怖」

町澤静夫著/マガジンハウス/1400円

醜形恐怖―人はなぜ「見た目」にこだわるのか
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副題「人はなぜ見た目にこだわるのか」。
現役の精神科医が「顔やスタイルが人より悪い」と必要以上に悩む現代人の病理を解説している本で、そこに載っている様々な例はある意味非常にショッキングだった。なんてことだ…呆然とする。ただ、以前鈴木蘭々が「やっぱり人間、見た目ですから」とあるTVで言っていたが、そういう時代なんだなぁという感慨以上のモノをこの本からは得られなかった。
「醜形恐怖」という新しい言葉をスキャンダラスに紹介している本、というレベルで終わってしまっているのがちょっと残念。

1998年1月 1日(木) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:雑学・その他 , 時事・政治・国際

LV1「ミジンコ道楽」

坂田明著/講談社/1500円

ミジンコ道楽―その哲学と実践
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副題は「その哲学と実践」。
ミジンコに魅入られて果てはモンゴル、ヒマラヤまで行ってしまったミュージシャン坂田明のお話。
題材よし。哲学よし。実践も良し。だけどあとは全部もうひとつだった。「である」と「ですます」が混在する文体は読みにくくって閉口したし、随所にちりばめたつもりのギャグも空振りが多い。ボクは著者の演奏は生で何回も見ているしお人柄も非常に好きだ。だが、演奏に見られる常識にとらわれない縦横無尽さが文にはなく、本人の魅力もイマイチ紙に定着していない。なんだかもったいなかったのである。

1997年12月 1日(月) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:雑学・その他 , 科学 , 哲学・精神世界

LV1「オールナイトニッポン大百科」

ニッポン放送監修/オールナイトニッポン友の会編/主婦の友社/1500円

オールナイトニッポン大百科
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「オールナイトニッポン」という深夜放送のことを知らない人はいないだろう。
ボクもご多分にもれずかなりはまった方である。鶴光、タモリ、みゆき、千春にこうせつに糸居五郎……この本は放送開始30周年記念本ということで歴代の人気DJのインタビューや写真、そしてすべてのDJの紹介、などで構成されている。マニアックなファンにはうれしい作りだ。
が、ただずらずら思い出話を並べているだけの狭い価値観の本になってしまっているのが残念。どうせ資料的な扱いにするのなら「オールナイトニッポン大全」みたいな3巻本くらいの大特集にしてほしい。ちょっと中途半端だ。単なる番宣本なんだな、きっと。でも「まだ放送を続けている」こと自体が驚きではある。

1997年11月 1日(土) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:雑学・その他

LV2「虫の味」

篠永哲・林晃史著/八坂書房/1800円

虫の味
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怖い本である。
著者(医学博士・昆虫専門家である)が自らを実験台に、そこらへんの昆虫をすべて料理して食べてみよう、という本なのである。

ハエやゴキブリやムカデやトンボやオケラやカブトムシやミノムシや……それぞれバター炒めしたりジュースにしてみたりふりかけにしてみたり串焼きにしてみたりお粥にしてみたり、とにかくバラエティに富んだ料理法で食べている。

まぁレシピ本とも言えるものだが、これを読んで感じるのは「日常の異化」であり「既成概念の破壊」である。食べられるはずがないと思っているものを食べてみる。それを読むだけでまた違った日常が見えてくる。本の効用のひとつだろう。

1997年10月 1日(水) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:食・酒 , 雑学・その他

LV1「東京ステーションホテル物語」

種村直樹著/集英社/1800円

東京ステーションホテル物語
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東京駅はよく利用する。丸の内の改札口で吹き抜けを見上げ、川端康成の部屋はどれだ?などと探すくらいはこのホテルのことを知っていた。
長い歴史とエピソードでは事欠かないこのホテルに泊まったことはないが常に興味津々であり、店頭でこの本を見つけたときは迷わず買ったものだ。そして、読んだ。

エピソードは満載だし正確にその歴史を追ってはいる。が、それだけ。東京駅という超特別な立地を持つこのホテルの人間臭さも洗練も苦悩も全然伝わってこない。表面をサッと撫でたという感じ。ちょっと残念。

1997年7月 1日(火) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル: , 雑学・その他

LV3「ヨーロッパ人の奇妙なしぐさ」

ピーター・コレット著/高橋健次訳/草思社/2300円

ヨーロッパ人の奇妙なしぐさ
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わりと話題になった本。とにかくヨーロッパの国々をそのしぐさや習慣で比較しそれを文化論・哲学まで引きずって行く力技だから、興味がある方にはとてつもなく魅力的な本だと思う。

しぐさの比較と言っても手招きの仕方から清潔度比較といった一般的なものから「なぜフランス人は肩をすくめると口がへの時になるのか」「なぜ何もしていないときにイギリス人はおちょぼ口になるのか」「なぜフィンランド人は自分が無言でいることに気が付かないのか」などを、豊富なエピソードを添えて検討するのだから面白くないはずがない。

でもちょっと読みにくいのが難かも。それとボクはヨーロッパ経験が少ないから読んでいて実感がわかない。少なくともヨーロッパに1年くらい住んだことがある人じゃないと通り一遍の知的快感で終わってしまう本だ。別にそれでもいいけど。

1997年2月 1日(土) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:時事・政治・国際 , 雑学・その他

LV1「本棚が見たい!」

川本武著/ダイヤモンド社/1600円

本棚が見たい!
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題名がいい。他人の本棚って凄く興味があるから「そう、本棚が見たい!」と思ってすぐ買ってしまった。

筒井康隆、畑正憲、高村薫、和田勉、荒俣宏、秋元康、内藤陳、紀田順一郎……などなど24人もの本棚がカラーで紹介され、インタビューが載っている。素晴らしい。いい着眼点である。
…でもね。買って帰ってじっくり読んだら意外とつまらなかったの。表面的な記述に終始してせっかくの企画をつぶしてしまっている。本棚だってその一部を写しているだけだし。がっかりだった。人数を半分にしてでももっと一人一人に充分に突っ込んでほしい、といいたい。一人一人の本棚をもっとしっかり見せてくれ〜!

1996年10月 1日(火) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:雑学・その他

LV5「新解さんの謎」

赤瀬川原平著/文藝春秋/1600円

新解さんの謎
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ボクも長い間「新解さん」とつきあっていたにも関わらず「新解さん」がそんな人とはつゆ知らなかった…。

「新解さん」とは攻めの辞書「三省堂新明解国語辞典」のこと。もしくはそこに「明解に」存在するひとつの人格のこと。
それを愛を持って分析したこの本はなにしろ面白い。抱腹絶倒といってもいい。辞書を一緒に読んでいくだけでここまで面白く出来るとは。赤瀬川文豪久々のスマッシュヒットである。もちろん「新解さん」自身が面白すぎるからなんだけど。

ただこの本の後半は全く別主題のエッセイになっており、そちらは申し訳ないけどつまらない。でも前半だけで三ツ星クラス。ちなみに我が家の「新解さん」は第3版だった。

1996年8月 1日(木) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:エッセイ , 雑学・その他

LV5「歴史新聞」

歴史新聞編纂委員会編/日本文芸社/1300円

世紀の号外!歴史新聞
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副題が「世紀の号外!」。これはある意味傑作かも。
世界史上の重要事件を新聞の号外という形に書き換え、わかりやすく(新聞の基本的な指命!)、そして楽しく伝えている。

1ページの中に見出しと記事の強弱つけた新聞記事という形で歴史上の重要事件(ピラミッド建設から明治維新まで)をあらためて提示されると、「そうか、歴史ってニュースが積み重なったものなんだ」という当たり前のことがとてもよく理解できる。
紙質も新聞だし、コラムや4コマ漫画もあって読んでて飽きない。中学高校時代にこういうのあったら、歴史がタテに理解できて良かったのになぁ。

1996年3月 1日(金) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:雑学・その他

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