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絵本(9)

LV1「サンタのおばさん」

東野圭吾著/杉田比呂美絵/文藝春秋/1333円

サンタのおばさん
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先月読んだ東野圭吾の「片想い」の中に出てくる逸話がそのまま本(童話)になっている。
性差別的な主題に沿った劇中劇だったので、サンタのおじさんならぬ「おばさん」なのである。テーマとしても題名としても面白いのでかなり期待したのだが、なんだか童話として昇華しきれてない印象。理屈が勝ってしまったようで惜しい感じ。悪く言えば説明的なのだ。説明もなく、エンターテイメントで引っ張ったあげくに、読み終わってから性別とは何かを深く考えさせてくれるような、そんな贅沢な希望を勝手に思っていたのだが…。
「片想い」の中で描かれていた劇団の劇の方がずっと面白そうであった。ちょっとがっかり。

2002年4月 1日(月) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:絵本 , 児童・ティーンズ

LV1「ここまできてそれなりにわかったこと」

五味太郎著/講談社/1200円

ここまできてそれなりにわかったこと
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人間を2000年やってきてそれなりにわかったことを150項目、五味太郎本人の絵と共に独自の観点であげた大人の絵本。
五味太郎の絵本はシンプルかつハズレが少なくて好きだが、この本は妙に複雑で(シンプルでない)、かつ、風刺とシャレが中途半端で、絵もいまいち可愛くなくて、うーん、ハズレかなぁ。

もちろんちゃんと納得も散りばめられているし、最後まで読み進むと「わかってないことの多さ、わかったことの意味のなさ」もわかってきて、結局わかってもわからなくても大差はないということがわかってくる、という秀逸な構成になっていたりするのだが、その構成自体がすでにわかりにくい。わかりにくいと言えば、特に文章がわかりにくい。一読でわかりにくいレトリックや漢字を多用していて、絵本作家らしくない。そうやって読者を煙に巻いているのかもしれないが(煙に巻くこと自体は嫌いではないが)、その手法は成功していない気がする。

2001年5月 1日(火) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:絵本

LV3「夜、空をとぶ」

ランダル・ジャレル著/モーリス・センダック絵/長田弘訳/みすず書房/1600円

夜、空をとぶ
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「長田弘が選んだ7冊」の第3回配本の1冊目。
これは子供にはわからないだろうな。大人の散文だ。絵本とか童話と呼ぶにはちょとつらいかもしれない。

ボク自身はとってもこの本を楽しんだ。行間が濃く言葉は深い。白と黒、昼と夜、生と死、そういったものを上手に対比させながらイメージの断片が次々舞い降りてくる。
ゆっくりゆっくり何度も読み返すとこの本の真価が見えてくる。子供が世界の秘密に気付く一瞬を美しく切り取った佳作。ちなみに5歳の娘にはチンプンカンプンだったようである。無理もないか。

2000年12月 1日(金) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:絵本

LV1「アイスクリームの国」

アントニー・バージェス著/ファルビオ・テスター絵/長田弘訳/みすず書房/1800円

アイスクリームの国
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「長田弘が選んだ7冊」の第3回配本の2冊目。
うーん。イマイチだったなぁ。絵はとっても良い。けど文章があまり好きではない。展開も。あまりボクの琴線には触れなかった。

なんだろう? アイスクリームの国というモチーフはいいのだけど、そこから先がないのだ。
ボクだけのアイスクリームの国に旅をする想像力を刺激してくれない。子供と一緒にいろんなアイスクリームの国を想像してみようとしたのだが、どうやっても行き詰まる。「昔、あるところにアイスクリームで出来た国がありました」・・・例えばこういう一行で終わっていた方がワクワクしない? そういうワクワク感がこの本にはないのだ。

2000年12月 1日(金) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:絵本

LV4「おやすみ、おやすみ」

シルヴィア・プラス著/クウェンティン・ブレイク絵/長田弘訳/みすず書房/1600円

おやすみ、おやすみ
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「長田弘が選んだ7冊」の第二回配本の2冊目。

これはとても良かった。娘と共に非常に楽しんだし、いまも「読んで」とせがまれる。
絵もいいし、文もよい。まぁなんてことない内容だと言えばそれまでだが、ここから広がる会話と空想がこの本を楽しくしている。そう、娘との会話と空想の入り口として、この絵本は優れているのである。来月の配本が楽しみだ。

2000年11月 1日(水) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:絵本

LV3「十月はハロウィーンの月」

ジョン・アップダイク著/ナンシー・エクホーム・バーカート絵/長田弘訳/みすず書房/1600円

十月はハロウィーンの月
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「長田弘が選んだ7冊」の第二回配本の一冊。
「絵本」というより「詩集」である。アップダイクの冷たいまでに計算された名文による12ヶ月の風物詩である。

実に名文、と言わざるを得ない。ゆっくりゆっくり味わって読ませてもらった。
ただこうなると絵は文章の脇役でしかない。もっともっと「強い絵」があったなら、と思う。また、長田弘による訳は、原文に忠実なのだろうが、ちょっと読み聞かせるにはイマイチなリズム。ちなみに5歳の娘は絵も文も楽しまなかった。仕方ないかな、ちょっと高度過ぎたかなと思いつつ、実は訳によってもう少しなんとかなったんではないか、とも思うのである。

2000年11月 1日(水) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:絵本

LV3「…の反対は?」

リチャード・ウィルバー著/長田弘訳/みすず書房/1600円

…の反対は?
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非常に信頼している詩人・長田弘がみすず書房で「長田弘が選んだ7冊」というシリーズを始めた。数ある海外の絵本の中から彼が厳選した7冊、ということらしい。今月はその第一回配本。「・・・の反対は?」と「白バラはどこに」の二冊。こりゃ買わねばなるまい。

まず一冊目。
この本は大人向けであろう。かなり高度な「反対語」の世界が繰り広げられており、頭の固くなった大人がじっくりと味わいつつ読むべき本である。冒頭からして「くたばっちまえの反対は?----スープ!」ってな具合。まぁちょっと海外の習慣とかに寄る部分もあって違和感ある反対語もあるのだが、この著者のくわだてに乗って寝転がっていろんなものの反対語を考えてみると様々な発見がありおもしろいのだ。ある意味「哲学的な」絵本。これを7冊のうちの1冊目に持ってくるあたりに長田弘の攻めの姿勢が見える。ちなみに5歳の娘に読み聞かせたらチンプンカンプンだった。

2000年10月 1日(日) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:絵本

LV1「白バラはどこに」

クリストフ・ガラーツ&ロベルト・イーノセンティ著/ロベルト・イーノセンティ絵/長田弘訳/みすず書房/1800円

白バラはどこに
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「長田弘が選んだ7冊」の2冊目。
これは戦争の物語。哲学的な「・・・の反対は?」と同時配本でナチスものを持ってくるあたりはバランス感覚がいいというか、教育的過ぎるというか・・・実はちょっとガッカリ。なんというか「良書」を読まされている時の居心地の悪さがどうしても漂うのだ。文体に甘さがないのが救いだが、結末もお涙頂戴系。大人が読むには少しセンチすぎるようである。

ただし、子供にとっての「戦争の入り口」としては実はいいのかもしれない。テレビゲームでの殺し合いが氾濫するなか、こういう物語が彼らの心に一滴でも潤いを与えられるなら、意味があるのかもしれない。それは認める。でも、長田弘という希有の詩人が世に問う7冊としては・・・わりとイマイチかも。正直言って。
ちなみに5歳の娘はこの本の「絵」が好きみたい。筋にはあまり乗ってこなかった。戦争という概念がよく理解できないのだ。子供が「戦争ということ」を理解できない世の中。いまの日本はその意味では実に幸せな集合体と言わざるを得ない。昔から考えたら「理想郷」に近い。平和ボケ? 結構なことじゃないか。

2000年10月 1日(日) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:絵本

LV1「いつでも会える」

菊田まりこ著/Gakken/950円

いつでも会える
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「1999年度ボローニャ児童賞・特別賞受賞」な絵本。

飼い主が死んじゃった犬のお話で、要は死んじゃっても「いつでも会える」ということですね。
子供に死を教えるにはいいのかもしれない。絵もいいし途中の展開はなかなか泣かせる。でも(これは好みによるのだが)ファンシーすぎてちょっと…。ボクには合わなかったようだ。「葉っぱのフレディ」みたいな教訓的さはもっと嫌いだが、これはこれで甘ったるすぎ、かな。それとも、ちゃんとあたたかくこういう本を読めないくらい心が荒廃しているのか。
というか、こういうオッサンは読者ターゲットじゃない、ということだと思う。残念っ。

1999年9月 1日(水) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:絵本

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