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実用・ホビー(28)

LV5「木を植えよ!」

宮本昭著/新潮選書/1100円

木を植えよ!
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名著「魂の森を行け」で半生と生き方とその活動を丹念に描かれた宮脇昭が書いた本である。

その破格な人生、そして切実なる森への想い、鎮守の森を守る活動など、実は「魂の森を行け」を読んだ方がよくわかる(感想はこちら)。まだ読んでない方はそちらを先に読んだ方がよい。で、「魂の森を行け」を読んだ人は100人が100人、宮脇昭自身の言葉に触れたくなるであろう。そういう意味ではTOO MUCHなほど触れられるこの本は貴重だし、欲望を心底満たしてくれる。

過激な題名を持つこの本は、哲学や提言というより実践的プロモーションな本である。
とにかく四の五の言わず木を植えよ。理由と背景はこれこれだ。木の選び方はこれこれだ。やり方はこれこれだ。「そんなこと自分では難しい」と思っている人にはこういう方法もある。とにかく植えよ。すぐ植えよ。と、畳みかけてくる。その畳みかけの激しさはちょっとウットリくるほどだ(文章が激しいというわけではない)。

「ヒトは『森の寄生者』の立場でしか、持続的には生きていけないのです。これは、人類が地球上で生き延びる限り永遠に続く冷徹な事実なのです」

……この言葉に少しでも引っかかる人は必読だ。

2007年2月 8日(木) 19:24:12・リンク用URL

ジャンル:哲学・精神世界 , 教育・環境・福祉 , 実用・ホビー , 評論

LV3「なぜ私たちは3ヶ月で英語が話せるようになったのか」

本城武則著/実業之日本社/952円

なぜ私たちは3カ月で英語が話せるようになったのか
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この本は、見た目も目的も英会話の本であるのだが、実は自分のプレゼンテーション、いやもっと言うと生き方の本とすら言えるかもしれない内容を持っている。
なぜ日本人は英語が話せないのか、という命題を「対人恐怖症」「白人崇拝病」「声が小さい」などという「日本人の性格」で解いていっているあたりが個人的に目ウロコ。そしてそれらを治す対策を著者の教室でやっただけで、生徒がどんどん(しかも3ヶ月で)英語が話せるようになっていったというのだ。

って、ここで短くまとめてもウソっぽいな。
でもこの薄い本に詰まっているノウハウは、実は何よりも日本人に足りないものなのだ。というか、日本語を使う状況ですら、ほとんどの日本人がこれらのことが出来ていない。ましてや英語においておや。これらを治すだけで「コミュニケーション力」が数倍になるのは明白だし、「コミュニケーション力」が数倍になると英語も通じるようになる(話せるようになる、ではない)のはもっと明白だ。あーなるほどなるほど……。この本を読み終わっただけで妙な自信がついてしまったボクをどうしよう。うはは。もう英語が話せるような気分になっているのだ。そしてそれがこの本のゴールなのだ。サンキューソーマッチ!

2003年9月 1日(月) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:実用・ホビー

LV5「温泉教授の温泉ゼミナール」

松田忠徳著/光文社新書/680円

温泉教授の温泉ゼミナール
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この本はショッキングだった。もう温泉になんか入れない、とすら思った。
だって、なんの疑問もなく浸かっていた温泉たちが、実は「ヘドロのような単なる汚いお湯」だったなんて…(!)。

問題は循環湯である。温泉の使い回し。人が入ったあとのお湯を濾過して何度も何度も使っているのである。で、夜中に循環装置を止めると、湯船のお湯はヘドロ状になるという。そして朝にまたスイッチ入れると30分ほどで透明なお湯になるというのだ。うげげげげ。そこに入って顔とか拭いてたのかよーーー! 循環装置が湯船もしくは排水溝についている温泉宿はほとんど全滅。ヘドロ湯に浸かって「はぁ〜極楽ぅ〜」と言っていたと思って良い。また、源泉量が少ない温泉地帯で必要以上に温泉宿があるところもやばい。町をあげて循環している場合が多いというのだ。うあー。なんということ……。

もう二度と温泉なんか行かない、とすら思い込んだが、日本にもまだまだ循環湯に侵されてないちゃんとした温泉宿があるという。それはどこなのだー!と思っていたら、同じ著者がちゃんとそういう本を出していました。それが次に取り上げた「カラー版温泉教授の日本全国温泉ガイド」。

2003年5月 1日(木) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル: , 雑学・その他 , 実用・ホビー

LV4「カラー版温泉教授の日本全国温泉ガイド」

松田忠徳著/光文社新書/1200円

温泉教授の日本全国温泉ガイド―カラー版
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ということで、上の「温泉教授の温泉ゼミナール」の著者が書いた温泉ガイド本。
宿のホスピタリティとか食事とかを無視して温泉の質だけを考えた場合、この本だけ読んでいればいいのかもしれない。いや、もちろんホスピタリティや食事もいいところが選ばれているのだが、優先順位の一は「温泉の質」なのだ。著者が肌で選んだ227湯378軒。この中で、この数年で循環湯化する宿もあるかもしれないが、とりあえず2002年(初版)では上質な温泉だ。あとは読者である我々がこの温泉宿たちを育てていくしかないのだろう。温泉好きには必携かも。

2003年5月 1日(木) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル: , 実用・ホビー

LV3「犬の家庭教師」

中村重信著/WAVE出版/1300円

犬の家庭教師―間違いだらけのしつけ方
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副題は「間違いだらけのしつけ方」。この本を読んで、ボクは世の中に蔓延するアルファ・シンドローム(権勢症候群)理論から脱した。ありがたく思っている。

家で犬を飼い始めて、しつけの本をいろいろ買った。そこに共通して書かれているのは「犬のリーダーになれ」ということ。ほとんどすべての本がそのしつけ法で書かれている。
曰く、「犬は狼と同じく群れで生活する動物だからリーダー願望がある(自分がリーダーになろうとする)。そういう権勢欲をアルファ・シンドロームという。そうさせてはいけない。飼い主がリーダーにならないといけない」と。で、すべてのしつけが「犬をリーダーにさせない」という発想で説かれているのだ。例えば、餌を催促して鳴くのも犬がリーダーとして飼い主に命令していることになるから良くない、ドアから先に犬を出すのもリーダーと勘違いするから良くない、などとなる。最初は素直に読んでいたボクも「ホントか?」と疑問を持ちはじめていた。だいたい、動物王国で10数頭飼いに接しているが、群れる犬もいるが群れない犬もいた。リーダー願望を持っている犬ばかりではないと思うぞ。狼とは違うんじゃないか?

この本は「そういう考えでしつけが出来る犬はそれでいい」と断りながらも、世界を席巻しているアルファ・シンドローム理論に真っ向から反論している。犬に支配性などない。だいたい狼と違って、人間に親しみを感じて近寄ってきた動物である。狼と一緒にできない。犬に負けまいと飼い主ががんばるから関係が悪くなる。だいたいこの理論だと人間の赤ちゃんがお腹すいたと泣くのも親に対する命令となる。人間も群れで生活するがアルファ・シンドロームなのか?

リーダーになろうと厳しく飼い主がしつけた犬は恐怖から服従しているだけ。道を少しそれると反抗的な犬になる。著者の主張は明快でわかりやすい。しかも謙虚。この本がなかったら、ずっとボクは犬に上から押しつけるコミュニケーションをしていただろう。犬を飼っている人は必読かもしれない。

2003年1月 1日(水) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:実用・ホビー

LV4「アッシュと歩いたヨーロッパ」

坂本徹也著/主婦の友社/1600円

アッシュと歩いたヨーロッパ
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帯に「あなたも愛犬を連れて海外に行ける!」とあるように、これは著者が愛犬(ミニチュア・シュナウザーのアッシュ)とともにヨーロッパを65日間旅した記録である。

「おー、犬をつれて海外旅行に行けるんだー!」という驚きがまずあり、そのやり方やノウハウを読んでいくうちに自分もやってみたくなり、最後にはヨーロッパ人の犬文化の深さにため息をつく。そんな本。ちなみにサイトはこちら。サイトもとてもすばらしい。

基本的に旅エッセイ。
フランスやイタリアを旅したことのある人(もしくは興味がある人)にはとても楽しい旅エッセイになっているうえに、もちろん犬と旅行するための実用情報が盛りだくさんに入っている。読んでいくうちに自分にも出来る気になってくるのがいい。そういう読者気配りがかなり上手な著者である。愛犬と海外旅行が出来たらいいなぁと少しでも思う人は読んで損はない。ただし、この本には「海外旅行に堪えられるように犬をしつける方法」だけは書いてないので、まずはしつけないといけないが。

2002年12月 1日(日) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル: , 実用・ホビー

LV5「コンピュータのきもち」

山形浩生著/アスキー/1500円

新教養としてのパソコン入門 コンピュータのきもち
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副題「新教養としてのパソコン入門」。
帯には「なぜパソコンはこんなに世話がやけるのか? コンピュータには使い方の知識だけでは片付かないもっと大事な考え方があります。それがコンピュータのきもちです」。うしし。コンピュータのきもちだって…‥おたく臭っ。だいたい入門書なんていまさら読むかいな。などと思いつつ、なぜか本屋で手にとり、ちょっと立ち読みし、すっとレジに持っていってしまったボク。

実は名著です、これ。
エッセイっぽいやさしい語り口調につられてすぅっと読みすすんでいくと、普通人でも自然とコンピュータおたくの発想法に近づけるようになっている。いや、そう、あなたはおたく発想などしたくないだろう。でも本の冒頭で「コンピュータはおたくによって作られた」という衝撃的な事実が明かされていることでわかるように、おたく発想が出来ないとコンピュータが何を考えているかがわからないのだ。永遠にコンピュータを使いこなせない。使いこなしたいなら、おたくたちがどう発想してコンピュータを作ったか、そしてどう育ってきたかを知らないといけない。知っておきさえすれば、かなりの疑問が氷解する。なかなか画期的な本なのだ。

なんつうか「アメリカ人はこういうときこういう発想をします」とかよく聞くじゃん? ボクたちはアメリカ人とつきあうとき、彼らの言語法と発想法を頭の中で整理して彼らにわかるようにコミュニケートする。そうしないと永遠にわかりあえない。それと同じような発想整理をコンピュータに対してもしてやろうということ。よりコンピュータとのコミュニケーションがスムーズになってくる。トラブル・シューティングの時にも、きっと威力を発揮する。

ええ、ボクはコンピュータ入門者ではありません。それでも、読んでいろんなことが頭の中で整理された。初心者にはもっと有用だろう。特に「コンピュータってわけわからない!」とコミュニケーションを投げてしまっているアナタ! とってもお気軽な本なので、一読をオススメします。

2002年11月 1日(金) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:実用・ホビー , 評論

LV3「ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本」

向山淳子・向山貴彦著/幻冬舎/1300円

ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本
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ベストセラーらしい。帯に「ついに英語がわかります!」とありがちなことが書いてあるのだが、全体が醸し出す雰囲気と題名になぜか惹かれ(あと薄さにも)、ふと手に取った。

その昔ボクは駿台予備校で伊藤和夫という先生に英文解釈を習い、目から鱗が何枚も落ちたことをよく覚えている。特に落ちたのは「文章の始めに出てくる名詞は主語である」という定理。当たり前かつ単純なことなのだが、伊藤先生がそれを解き明かすと魔法のように英文が読めるようになった。たった一時間の授業ですらすら読めるようになった。まわりには泣いている人もいた。それくらい感動的だったのだ。この本は(もちろんそこまで感動的ではなかったが)ちょっと伊藤先生の教え方を思い出した。英語を極限まで単純化しているという意味において。

著者は言う。「英語は世界で一番簡単な言語です。もっとも簡単な言語だったからこそ、こんなに広まったのです」。確かにそうだ。複雑怪奇な日本語を使いこなせる、という超高度な言語能力を持っている我々が、その世界一簡単な言語を使いこなせないわけがない。そういう自信と、単純化された英語の法則を得たい向きにはオススメ。きっと繰り返し読むべき本なのだろう。ボクみたいな英語落第者は特に。

2002年2月 1日(金) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:実用・ホビー

LV2「eメールの達人になる」

村上龍著/集英社新書/660円

eメールの達人になる
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メールというメディアにいち早く注目していた著者が書いたeメールの実践的使い方講座。
メールは手紙や電話とは根本的に性格が違うということをなんとなくわかっている人はいても、きちんと正確に理解している人は少ない、ということを前提に論は進む。日々多量なメールとともに暮らしているボクにも新鮮な記述はそれなりにあり、再確認された部分もいろいろあったが、やはりこれはメール初級・中級者に向けたものだろう。数をこなせば自然とわかってくるノウハウを、文章のプロとして一度丁寧に説いてあげよう、という感じ。特に仕事でメールを多用せざるを得ない人(で、かつ、文章にあまり意識を持ったことない方)には有効な本だ。

というか、この本でイイタイコトは、「コミュニケーションでもっとも重要なのは、相手に正確に伝わったかどうかだ。つまりそのためには、どう伝えれば相手に理解してもらえるかを考えなければならない」という一文にある。例えば件名に「重要」と書いてしまう人。「この人はコミュニケーションで何がもっとも重要なのかわかっていないと思う」と著者は断ずる。これの何が悪いか、わからない人は、読むべし。
eメールの特質は関係性の排除であるとボクは思っている。電話や手紙におけるナァナァがない。理解してくれるだろうという日本人特有の甘えが通用しない。だからメールは同じ文化の土壌を持たない人との国際的コミュニケーションの訓練の場としてかなり有効だと感じている。そういう意識を再構築する意味でも有効な本である。

2002年1月 1日(火) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:実用・ホビー , 経済・ビジネス , IT・ネット

LV3「思い通りの家を造る」

林望著/光文社新書/700円

思い通りの家を造る
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客観的な視点と独自の主観を常に維持している著者による「我が家建築論」である。
例によってイギリスの家についての言及から始まるが、独自の主観的意見が要所要所できっちり入ってくるのでやっぱりオモシロイ。外国の状況だけを語って誉めあげる本が多い中、外国の状況を踏み台に自分の土俵に勝負を持ち込んできて展開させる技量はさすがなものだ。というか、そういう当たり前のことが出来ていない本が多すぎると言うべきか。

実は、彼の家論はボクのそれとかなり似通っている。おととし、ボクはボクなりの思想を持って家を建てたが、この本を読んで「あぁすればよかった、こうすればよかった」という後悔に迫られることは少なかった。敢えて言えば、妻が嫌がったためにやめたドラム式洗濯機にすれば良かったかなということと、ソーラー発電に最初からすれば良かったか、というあたり。今は、おんぼろすぎるクルマを新しくするのをやめて、ソーラー発電にその分のお金をつぎこもうかと相談しはじめたところである。うん、この本は実用にもとてもいい。これから家を建てる人には必読の一冊でもあろう。

2001年11月 1日(木) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:実用・ホビー , エッセイ

LV2「図解でわかるインターネットテクノロジー」

田口美帆著/日本実業出版社/2500円

図解でわかるインターネットテクノロジー―ブロードバンドから次世代携帯電話まで
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このごろほとんどウェブプロデューサー的仕事になってきているので、仕事柄コンピューターアプリノウハウ本みたいなものはよく読む。「超できる」的なヤツとかね。が、世のテクニカルライター達はやっぱりまだまだ想像力が欠如している人が多くて、ちょーどいいバランスで書いてくれる人が実に少なかったりする。ちょっと難しすぎたりちょっとやさしすぎたり、いらぬ説明が多かったり欲しい説明がなかったり…。本屋に何時間も粘って探していても結局満足するものに出会えなかったりするのだ。

この本もノウハウ本ではあるが、そういう意味で実にバランスが良く秀逸な本だったのでこの欄では珍しいが取り上げる。
ネット系テクノロジーについて部分部分の技術動向は掴んでいても全体像がなんかボンヤリしてるなぁ補強したいなぁと感じていたボクにはまさにうってつけのコンセプトな本だったのだが、説明が懇切丁寧かつ専門的なうえに、ちょうどいい塩梅で読者の身になってくれ、難易のバランスも実にいい。ええとところでアレはどうだったっけ?と思っていると絶妙のタイミングでコラムが現れたりする。うー、こういう本欲しかったのよね。ややこしいテクノロジーをこういうバランスでちゃんと書くって実に難しい技だと思う。著者の技量だろう。
ちなみに著者はその昔「テクニカルライター日記」という人気日記をウェブで書いていてボクも愛読していた。買ってから「お、あのミホさんか」と気づいたんだけど。

2001年9月 1日(土) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:実用・ホビー

LV3「それがぼくには楽しかったから」

リーナス・トーバルズ+デイビッド・ダイヤモンド著/風見潤訳/中島洋監修/小学館プロダクション/1800円

それがぼくには楽しかったから
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LINUX(リナックス)の生みの親、リーナス・トーバルズの自伝。
共著のデイビッド・ダイヤモンドと章ごとに交代して主観と客観を上手に使って織り上げた構成。まだ31才の男の自伝、しかも(皮肉な意味ではなくて)得意の絶頂にいる男の自伝なわけで、なんというか嫌味な部分もあるんだけど、この著者、やっぱり根が「オープンソース」なのだろう、自分を「たいしたことがない単なる素材」と扱って「どうとでもこの素材にパッチを当ててよ」って感じが(そのままでないにしろ)随所に感じられる。最初の1/3はちょっと嫌味な部分もあったが、だんだんその感じが読者側にじわじわ伝わってきて、最後にはなんとなくファンになってしまう。そんな感じだ。

オープンソースの演説な場面は(個人的には勉強になったが)ちょいと冗長。ま、世界11ヵ国語に翻訳されるらしいし、話題のスーパースターだから大ベストセラーは間違いないだろう。注目されるスターの自伝としては、うまく凌いだ、という印象。Mac派には辛い言葉も出てくるが、読後思わず「LINUXを導入してみたい」気持ちになったことも白状しておきます。

2001年7月 1日(日) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:自伝・評伝 , 実用・ホビー , IT・ネット

LV4「ツキの法則」

谷岡一郎著/PHP新書/657円

ツキの法則―「賭け方」と「勝敗」の科学
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先月読んだ「『社会調査』のウソ」が面白かったので、同じ著者の本を購入。
クレバーで的確な切り口、そして分析は相変わらず面白い。ボクが賭事好きであれば読み方も変わり、当然三ツ星ってことになったかもしれない。でもいかんせんボクは現在ほとんど賭事に手を出していないので、中盤の各ゲーム別具体的分析あたりがちょっと退屈であった。仕方ないけど。

科学的、統計学的に巷で言われているいわゆる「ツキ」というものを次々切り捨てていく展開は見事。ツキの正体が豊富な実例と考察でしっかりあばかれている。そして「確実に勝つ方法はないが確実に負ける方法」はある、と断定し、ギャンブル本来のスリルや楽しさを損なわずに「大負けしない方法」は存在すると導く。

著者が統計バカでないのもうれしい。筋金入りのゲーマーなのだ。コントラクトブリッジ全日本学生リーグ委員長だった経歴すら持っているのである。そういうゲームの流れの機微を知ったうえでのツキの科学。興味ある向きにはオススメである。

2001年5月 1日(火) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:科学 , 雑学・その他 , 実用・ホビー

LV3「金持ち父さん 貧乏父さん」

ロバート・キヨサキ+シャロン・レクター著/白根美保子訳/筑摩書房/1600円

金持ち父さん貧乏父さん
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この手の「経済ベストセラー本」を読むのは非常に久しぶりだが、この本はそれなりに面白かった。
というか面白かったのは「資産」と「負債」の考え方、のみなんだけど。この考え方を知れただけでこの本は価値がある(ボクにとって)。そしてその考え方を知るためだけだったら、全体の1/3もあれば知れる。あとの2/3はその考え方を知っていれば自然に導き出せる方法論。
後半は実践編なんでそういうのを有り難がる方もいらっしゃると思うけど、ま、後半はカッパブックス的かも。そういう意味ですごく水増しして書いてある本でもある。でも、なんつうか、著者から見ると、その1/3を元手に展開して3倍のページ数にし、定価を高くしてより印税を増やす、という風に自著をまさに自説通り「資産」として活用したわけで、なんつうか、してやられたわけです。

他には彼の説く「すべての元凶としての恐怖」も参考になった。
うん、そう、ボクはどこかで恐怖と闘いながら、「武士は食わねど高楊枝」みたいな意識にそれを変換してお金を「卑しいもの」として見るようにして逃げてきた。でも、資本主義国に暮らしている限りそれは単に「現実を見てないバカ」である、ということに今さらながらに気づき、反省。もうちょっとマネー・リテラシーを磨いておくべきであった。あー、でももう遅いかも。「負債」増えすぎ!

2001年4月 1日(日) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:経済・ビジネス , 実用・ホビー

LV5「美味しい方程式の原点」

野崎洋光著/文化出版局/1600円

「分とく山」野崎洋光が求める美味しい方程式の原点
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「美味しい方程式」シリーズ三冊目。
シリーズ最終なのかな。人気シリーズなのでまだ続く可能性もあるけど、続くとしても薄く引き延ばしたものになる気がするので個人的にはこれを最終にした方がいい気がする。

ボクはこれをベッドで寝転がりながら読んだ。まさに「読ませる料理本」として成功している。読んでいるだけで料理の本質が見えてくる。そういう意味でこの本はいまから料理を覚える方が手を動かす前に読むべき本かもしれない。
また、「考えさせる料理本」としても成功している。このレシピはこうすべき、というレシピ紹介本とはまるで違う。特に三章などは方程式の応用問題で読んでいて楽しい。ただ惜しむらくは応用問題にもっと贅沢にページを割いてほしかった。「かつお」を使って何作ろう、と考える余裕を読者にもっと与えて欲しい。すぐに答えを与えずいろいろ考えさせて欲しい。いろいろ考える過程に著者もついてきて欲しい。そこが惜しい。

難点はデザインが中途半端になってしまったこと。レシピ紹介と読ませる部分が両立していない気がする。シリーズ的にデザインは一貫して斬新だが、今回は読ませる部分が多かったせいか、横組み縦組みの入り交じり具合や写真の入れ方、大きなフォントの使い方が多少心地悪くなってしまっていた。惜しい。

2000年12月 1日(金) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:食・酒 , 実用・ホビー

LV3「趣味は佃煮」

小町文雄著/光文社知恵の森文庫/514円

趣味は佃煮―ある大学教授の「無趣味」からの脱出
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副題は「ある大学教授の『無趣味』からの脱出」。
無趣味だった大学教授が佃煮をはじめとする乾物系珍味製作にはまっていく様子を飄々と書いている。この飄々さ加減が、予想外に面白く、わりと楽しめた。

こういった本はありがちで、だいたいが自慢に終始するのだが、この著者の自慢は嫌味にならないし、自慢自体もそうはしていない。だから楽しめたのだろう。林望や玉村豊男など、自慢上手はいろいろいるが、自慢すること自体を著者自身が笑っている感じがどの著者にも共通して言えるうまさなのだろう。この著者も結局自分を笑う技術に長けている。
佃煮をはじめこの本に出てくるもろもろのレシピは、ちょっと作ってみたくなるものばかり。ただ、干物にするには空気が悪すぎる環境にいまボクは住んでいるので、そういう系統は出来ない。残念だ。

2000年9月 1日(金) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:食・酒 , 実用・ホビー

LV2「ウルティマオンライン ザ・セカンドエイジ公式ガイド」

ソフトバンク/1800円

ウルティマオンライン ザ・セカンドエイジ 公式ガイド
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ここで取り上げるのもどうかと思うが、でも今月一番時間を費やし一番熟読したのはこの本だ。だから取り上げる。笑うな。
でもね、このゲーム(ウルティマオンラインというゲームの解説本なのです)ほど、ガイドを熟読するゲームはないぞ。他のゲームにも攻略本とかあるけど、あれって謎が解けていくとどんどん先に進んで、しまいには全部解けてしまうからお払い箱になるよね。でもこのゲームは終わりがないのだ。ブリタニアという世界でいろんな生き方ができるのだ。だから「攻略本」ではなくて「ガイド」なのだね。「攻略できない」んだから。

それにしても受験時代の英和辞典以来だな、ページが手垢で黒くなったのは。再読の嵐。熟達するにつれ熟読具合も深まる。細部のほんのちょっとした工夫が必要になってくるからなのだ。そうまでして読みながらも、まだ中級者に手が届かない状態。深いゲームなのである。うーん、まだしばらくはこの本を座右に置かなければいけないようである。

2000年8月 1日(火) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:実用・ホビー

LV3「書斎の造りかた」

林望著/光文社カッパブックス/838円

書斎の造りかた―知のための空間・時間・道具
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パソコンという超便利道具が出来て以降、書斎のあり方は確実に変わった。とはいえ、ハイテク城を書斎にするような極論ばかりが跋扈してもいまいちときめかない。そういう意味で、一番バランスが取れていて、かつ、実用的合理的な書斎論がやっと現れたと言える。しかもこういうことをウンチク込みで嫌味にならない程度の自慢を混ぜつつ語らせたら著者は日本一である。

書斎の造り方は、もちろん、生き方にも関係してくる。だから、この本ではさりげなく人生論が散りばめられていて、それがとてもクリアで面白い。人生論は文章論、教育論までも波及していき(もとが書斎論だからこそ)熱くならずにドライに語られている分だけ逆に説得力が増してもいる。

書斎の造り方に限って言えば、だいたい考え方は似ていた。まぁ掘り炬燵にすることとオフィス用コピー機を置くスペースを考えなかったのが、この本を読む前に家の設計が終わってしまった悔しさかな。

2000年4月 1日(土) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:エッセイ , 実用・ホビー

LV3「コンパクトカメラ撮影事典」

丹野清志著/ナツメ社/1300円

コンパクトカメラ撮影事典
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カメラという趣味を始めようと思ったわけではないのだが、ちょっとした「人生メモ」的にミノルタの「TC-1」という、レンズが良くて非常に小さなコンパクトカメラを持ち歩くようになった。モノクロ・フィルムを入れて28・の広角で日常を写す。そこには芸術を撮ってやろうとかいうような気概はまるでなく、ただ毎日を楽しむ手段・道具の一つ、という意識しかないのだけれど、なんとなく日常風景への視点が自分の中で変換していることに気がついたりする。わりと面白い。

この「TC-1」、露出制御は絞り優先AEなので「カメラ無知」のボクは何冊か本を買って研究したのだが、その中ではこの本が一番面白かった。いや、撮影のABCを教えてくれるという意味では他にもいい本はあった。この本がいいのは、撮影事典などというタイトルのくせにほとんど「エッセイ」なのだ。著者による「コンパクトカメラな日常」のエッセイ。そしてコンパクトカメラとは何か、ということをこの本ほど看破している本はなかった。スペック的な意味ではなく、精神的・人生的な意味でね。そういう意味でひたすら共感した事典であった。以上。

1999年11月 1日(月) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:映画・映像 , 実用・ホビー

LV5「ムツゴロウの動物交際術」

畑正憲著/文藝春秋/1524円

ムツゴロウの動物交際術
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以前畑さんの家で「そのマジックみたいな動物の手なづけ方をそのうち公開してください」とお願いしたら「いま書いているんですよー」とおっしゃった。あれから3年。そんな本が出たらすごいものだ、と思っていたらついに出た。

「この本では僕の企業秘密をすべて公開している」と書いているだけあってまさに秘伝の技がそこかしこ。動物とつき合うのと人間とつき合うのとはそう違いはないのだなという不思議な実感も最後にはあってなかなかに深いのであった。最後の方が少しダレルが、全体に動物とのつきあいのノウハウは世界一盛り込まれていると思う。

いま著者はテレビとかからちょっとキワモノ的に扱われているところがあるが、動物関係学においては世界でもトップクラスの知識&現場のノウハウを持っている天才。もうちょっと評価されてしかるべきである。

1999年10月 1日(金) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:雑学・その他 , エッセイ , 実用・ホビー

LV2「買ってはいけない」

週刊金曜日5月21日号増刊/1000円

買ってはいけない
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いまや大ベストセラーですね。
企業が出している商品について添加物やら製品上の問題やらを暴き「おすすめできない」と断じた「週刊金曜日」人気のシリーズを一つにまとめたもの。広告を取っていない雑誌だからこそ出来たシリーズで(スポンサーから圧力がかからないから)、こういう草の根アンチテーゼ的情報はいままでメジャーになったことがないからそういう意味ではとてもいいことではないかと思う。こういう情報が一方で拮抗してこそ、民主主義国家なのだ。

が、そういう意味で、こういう本こそ無批判に読んでしまいやすいから注意が必要だ。アンチテーゼ的なものは耳に心地良いのだ。大企業が出している商品が「必ずしも正しくない」ことと同様に、この本が言っていることも「必ずしも正しくない」だろう。それを自覚した上で客観的に「こういう見方もあるのか」と冷静に読むべき本である。

この本の大きな主題は「疑え!」ということだと思う。ヒット商品を疑え。みんなが使ってるからって信用するな。CMも疑え。自分で自分の身を守る知識を持て。自覚を持て。…つまりは、この本の内容も「疑え!」なのだ。この本の主題を理解するならそういうことだ。我々はこうして成熟した消費者になっていくべき。「At Your Own Risk」こそ、消費の原点である(民主主義の原点でもある)。

1999年8月 1日(日) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:雑学・その他 , 実用・ホビー , 健康 , 教育・環境・福祉

LV3「さらに、美味しい方程式」

野崎洋光著/文化出版局/1600円

さらに、美味しい方程式―「分とく山」野崎洋光が明かす
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名作「美味しい方程式」の続編。
前作であそこまで完璧に方程式化している分、続編はどうしても細かく各論的になってしまい、なかなかつらい。ものすごく整理してくれた前作に比べて、シンプルさが壊れてしまっているのである。文字数も思ったより多くて、前作のシンプルさを愛していた者としては違和感がある。

内容的には「美味しい二次方程式」といった感じで、より難易度が高くなっている。それはいいと思うのだが、難易度が高い部分を強烈に整理してくれた前作との差がその分明確になりすぎてしまったかもしれない。

それと、どこに何が書かれているのかがわからないから(目次のつけようがなかったのかもしれないが)、あらこれは1ページ目からしっかり読む暇がないと読めないな、と思ってしまってちょっと気が重くなるところが難である。各論的に展開するなら、方程式ごとに見出しをつけて、目次かなにかでわかりやすくしてくれないと、山がどのくらいの高いのかがわからない。そこもちょっと残念だ。いっそのこと「チャート式」参考書的にするとか。

逆に言うと、腰を据えてじっくり読み出すと、かなり面白い。台所に立って実験してみたくなる。そこらへんはさすが。
次は画期的な「応用問題集」「練習問題集」を期待する。なにしろこちとら受験世代にて、方程式を覚えたら問題集がやってみたくてしょうがないのだ。

1999年5月 1日(土) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:食・酒 , 実用・ホビー

LV2「パソコンを鍛える」

岩谷宏著/講談社現代新書/660円

パソコンを鍛える
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それなりにパソコンを知っている人のためのパソコン教科書。
OSの原理をわかりやすく解説して「パソコンのユーザーの多くが現在の完全受け身から完全攻勢に180度転換」させる狙いで書かれている。

で、その狙いは成功していると思う。説明が難しいであろう技術についても大変興味深く書かれており(かといって読者を子供扱いもしてない)、ボクにOSの成り立ちをよく理解させてくれた。最後では結局UNIX啓蒙になるのだが、ウィン・マックともに平明に見る目が養われたと思う。もうちょっと既存OSについて公平な書き方であればよりよかった。バイアスがかかっている内容に思えて、読者はちょっと警戒してしまうのだ。

1999年1月 1日(金) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:IT・ネット , 実用・ホビー

LV4「野崎洋光の和食でおもてなし」

野崎洋光著/光文社/1500円

野崎洋光の和食でおもてなし―こうすれば上手にできる16のコツ
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名作「美味しい方程式」を出した「分とく山」の野崎氏による丁寧で温かい料理本。

この著者のいいところは前作と変わらない。わかりやすく丁寧にすべてのコツを開陳するところだ。
多くの料理本は、料理数を競うことに汲々としているせいか、「なぜそうするのか」の視点が決定的に欠如している。彼の本は料理数を最低限に絞ってでもその部分の解説にページ数を割き、出てくる料理も応用が利くものを選んでいる。だから読んでいて目からウロコが一杯。彼が丁寧に書くコツをゆっくり読んでいるだけで、「料理とはいったいなんなのか」みたいな大きな地平までもが見えてくる。

1998年11月 1日(日) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:食・酒 , 実用・ホビー

LV1「東京エピキュリアン」

見田盛夫編著/講談社/1600円

東京エピキュリアン―厳選126店フランス料理店ガイド
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フレンチレストランのガイドブックである。
毎年、見田盛夫が審査して星をつけていたのだが、今年は見田盛夫以外の6人の調査員が「調査員であることを秘して調査にあたり、もちろんきちんと料金を支払いました。こうすることによってこそ、調査の公正さ、正確さを保証できると信じているからです」らしい。そう帯に書いてある。いままでは公正・正確ではなかったということでしょうか? なんかボクが主宰しているジバランを意識していると思うのは自意識過剰かな?

内容はというとあまり去年と記述が変わっていないところも多く、覆面で行って本当にこの星の数?と、個人的には疑問に思うレストランも多い。なんだか視点が中途半端なのだ。これなら「フレンチの大御所見田盛夫個人が審査するフレンチガイド」の方がずっと読みたい。
なお、いままでのしっかりした装丁から一転して安っぽく読みにくくなってしまった。これも実用性を狙ったのかな? はっきり言って読む楽しさが減ってしまった。また、いままで載せていた関西の店もカットし東京に絞った。フレンチの東京集中を助長する行為だと思う。この2つに関しては非常に悲しく思っている。

1998年2月 1日(日) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:食・酒 , 実用・ホビー

LV5「美味しい方程式」

野崎洋光著/文化出版局/1500円

「分とく山」野崎洋光が説く 美味しい方程式
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料理本である。ボクは料理本はたくさん読むがめったに取り上げない。新鮮な視点が決定的に欠如しているものが多いからだ。でもこの本は違う。レイアウトも画期的に素晴らしいが、それよりも中身に感心した。

この本が他の料理本と一線を画すのはその「方程式」というコンセプト。西麻布の名店「分とく山」の主人である著者は、料理という手品の種を至極シンプルに読者に披露してしまう。舌の経験を必要とする調味料の比率を「8:1:1」という風にあっさりと提供してしまうのだ。まず基本にこれさえ覚えれば応用はこうこう簡単です、ってな具合。その単純な構図がまず新鮮。権威的でなくまことに賞賛に値する。

そしてそれ以上に素晴らしいのは、核家族化により日本から消えてしまった「おばぁちゃんの味」(つまり口伝による料理文化)の連環をこの方程式によって取り戻そうとしているのではないか、ということ。
いや著者がはっきりそうと書いているわけではないが「こうやって調味料の塩梅をしっかり覚えてほしい。日本の文化として残して欲しい」という切実な願いをボクは感じる。受験世代・マニュアル世代が理解しやすいように翻訳された、これは「おばぁちゃんの味」の現代風「口伝」なのだ。

1997年7月 1日(火) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:食・酒 , 実用・ホビー

LV5「そば打ちの哲学」

石川文康著/ちくま新書/680円

そば打ちの哲学
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趣味で蕎麦を打ち初めて半年になるけど、どんな本を読んでも越えられなかった「畳んだら折り目で切れちゃう」問題をこの本は明解に解決してくれた。

そういう意味では実用書でもあるが、あくまでもこの本は哲学書。
哲学読みには中途半端かもしれないが、ボクにはちょうど良かった。大学の教授である著者も趣味で蕎麦を打っているわけだが、哲学者というスタンスを見事に蕎麦打ちに取り入れており、まさに「哲学とは‘哲学すること’である」を実践している。
蕎麦を入り口に古今の哲学に言及し蕎麦を出口として人間の欲望に迫る。その筆、平明にして深遠。蕎麦を打つ人も打たない人もぜひ触れてみて欲しい個性的名著。

1997年3月 1日(土) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:哲学・精神世界 , 食・酒 , 実用・ホビー

LV5「いまどき真っ当な料理店」

田中康夫著/ぴあ/1500円

いまどき真っ当な料理店
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「神戸震災日記」の項でも書いたが、ボクは個人的には田中康夫はそんなに好きではない。
でも、先月に続いて今月も認めざるをえない本を出してきた。帯に「日本初のミシュラン誕生」とあるのでもわかるようにこれはレストラン批評の本なのだが(厳密にいうとミシュランは覆面審査員による審査なので、面が割れている著者の審査とは立脚点が違う)、優れている点が3つある。

1.ヒモ付き褒め合い評論とは一線を画す辛口系。
2.「真っ当」度という新しい評価基準。
3.巻末の「なぜ私はこの店を評価できないか、あるいは評価するのか」というエッセイの切れ味の鋭さ。

個々のレストラン批評に対してはその立脚点も含めて反対意見はあるのだが、本としては非常によい出来だと思う。

1996年5月 1日(水) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:食・酒 , 実用・ホビー

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