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写真集・イラスト集(35)

LV2「Hiromix works」

HIROMIX著/ロッキング・オン/3800円

HIROMIX WORKS
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帯に「HIROMIX's the best selection for 5 years!」とある。
1995年から1999年までの彼女の写真の中で特にポートレートを中心に集めた写真集である。

ブランキー・ジェット・シティ、ハイロウズ、奥田民生、CHARA、草野マサムネ、小沢健二、及川光博、篠原ともえ、田中麗奈、伊勢谷友介、浅野忠信、武田真治、マリリン・マンソン、などなどなど。被写体は多岐に渡る。特に初期の作品でのポートレートが面白い。HIROMIXに対して被写体が少し違和感を感じている様が感じられる。違和感というか戸惑いかな。なんとなくそんな空気が写っている気がする。

キレイな場所ではなく、どちらかというとシャビーな場所での撮影が良かった。
最終ページ(セルフポートレートの前)に「dedicated to Takashi Homma Nobuyoshi Araki」と書いてあって、なるほどな、と思った。個人的にはHIROMIXの場合、ポートレートより風景や街の切り取り方の方が好き。

2007年3月15日(木) 19:12:07・リンク用URL

ジャンル:写真集・イラスト集

LV3「フェルメール全点踏破の旅」

朽木ゆり子著/集英社新書ヴィジュアル版/1000円

フェルメール全点踏破の旅
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現存するフェルメールの絵は、疑わしいモノも含めて37点しかないと言う。だからこそ成立した全点踏破の企画。美術誌ではない一般雑誌「UOMO」創刊号でのこの企画を一冊にしたものということもあり、著者は丁寧にフェルメールを読み解いてくれている。そういう意味で(多少詳しすぎる部分もあるものの)フェルメール入門者にもいいし、フェルメールを詳しく知りたいヒトにも良い本になっている。

もうひとついいのは、所蔵されている美術館順に話を進めていること。そのせいで紀行文的になっているのもいいが、絵の制作年が前後することで逆に読者の理解が深まるところがある。もしフェルメールの初期から後期に向けて順を追って構成していたら、(教科書的になって)逆に頭に入らなかったことが多くなった気がする。あぁずっと前のページで言っていたことはこういうことか、みたいな気づきが脳を活性化させるのだな、とか思った。

ボクはフェルメール初心者だ。まずは細かい研究記述をすっとばしてざっと読んだことにより(そして掲載のカラー写真で確かめたことにより)、フェルメールを概観でき、彼の絵の特徴、様式、盛衰などを理解できた。もっと好きになったらまた再読して詳しく読めばよい。そういう意味で、ボクには至極役にたった一冊。ボクは美術館では走るように絵を見て、なんか気になった絵の前だけで長時間過ごすような見方をする。有名絵画でも気持ちに引っかからなければ無視するタイプだが、そんな「走り見」系のボクにはとても合っている一冊だった。

2007年3月11日(日) 8:37:25・リンク用URL

ジャンル:アート・舞台 , , 写真集・イラスト集

LV5「small planet」

本城直季著/リトルモア/2625円

small planet
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ボクから娘へのクリスマスプレゼントにした本。
実際の風景をミニチュア模型ライクに見せる大好きな写真集である。

何も知らずに手に取ると「ミニチュア模型で作った風景をいかにもリアルな風景っぽく撮っているんだ」と誰でも思う。でもじっくり見ていくと「あ、リアルをミニチュアのように見せているんだ!」と気づく。これが飽きない。箱庭好きにはたまらない。うわーうわーと感嘆しながら見てしまう。なんでも大判カメラのあおり(カメラでレンズと感光面をずらして撮影する技術)を使って撮るとこうなるらしい。ふーん。Photoshopでも作れそうだけど、後処理しないからこそのシズルがよく出ているなぁ。

そう、現実は見方をちょっと変えるだけで非現実的になる。いつも「リアル」だと思って見ているもの、感じていることは、本当に「リアル」なのか。つか、リアルとは何なのか。いま生きている日常は本当にリアルなのか。そんな視点を与えてくれる一冊だ。よくできた文学や映画のように、日常を異化してくれる希少な芸術作品なのですね。

小6には少々ハイブローかもだけど、こういう視点を持つと人生に「強く」なれるので、あえてあげた。とりあえず娘はこの面白さをわかってくれたようで、「おもしろーい!」を連発しながら見てくれた。よかった。

2006年12月25日(月) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:写真集・イラスト集

LV4「Lightweights」

Sharon Montrose著/Stewart Tabori & Chang/1580円

Lightweights
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題名はライト級、とか、おチビ、とかいう意味。

洋書の写真集で、各ページ、体重計に乗っている子犬の写真で埋まっている。
子犬は30種類くらい。体重計もレトロな凝ったデザインのものが多く、子犬ファンのみならず体重計ファン、いや、古い調度品ファンにも楽しめる作りになっている。
写真は文句なくかわいい。子犬の写真集って「かわいく撮る」という目的がギンギンに伝わってくるものが多いが、これはとても自然な表情を撮っていてわざとらしくない。この程度のかわいさがボクにはちょうどいい感じ。

2006年5月 1日(月) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:写真集・イラスト集

LV3「本人の人々」

南伸坊著/南文子写真/マガジンハウス/838円

本人の人々
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言うなればナンシー関や高橋春男の実写版である。
15分もあれば読み終わってしまう本かもしれないが、内容は実に濃い。顔マネでは定評がある南伸坊がいろんな「本人」になりきって顔を作って写真に写り、「本人」になりきって文章も書いている。

文章もさすがだが、なんといっても顔がすごい。特徴の切り取り方が尋常ではない。イチローの口元、新庄の目、石井一久の口、寺原隼人の眉(あれ、野球選手ばかり)などの形態模写もすごいが、性格そのものを(ある種の悪意を持って)映し出したその技がまたすごい。村上龍や清原、養老孟司、手嶋龍一、加藤紘一、山崎拓、宮崎駿……いややめよう。ひとりひとり例を挙げても仕方がない。中にはハァ?という模写もあるが、8割方絶品に似ている。

コピーライターになりたてのころ、コピーのコツとして「他人になったつもりで書いてみる」というを習ったことがある。このコピーを長嶋ならどう書くか、林真理子ならどう書くか、桑田佳祐ならどう書くか、など、本人になりきって書いてみるのだ。そうすると意外なほど発想が広がったのを覚えている。この本の効用もそんなところにあるのかもしれない。

2004年1月 1日(木) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:エッセイ , 写真集・イラスト集

LV4「花火」

川内倫子著/リトル・モア/1800円

花火
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第27回木村伊兵衛写真賞受賞の写真集。
9月に花火師デビューしたボクであるが、一緒に花火打ち上げをしている仲間がこの写真集に写っているということを聞き、前から探していたのだった。やっと見つけて購入。

薄い写真集であるが、中身は濃い。花火を都会の生活の中の一事象として切り取っており、あの、打ち上げられた瞬間の時間が止まった感じもとてもよく写し取られている。都会の景色の中の異物としての花火。それを魂抜かれたような顔で見つめる人々。醜い電柱や電線の向こうで一瞬止まる花火。それを無視するように話す人々。写真家の目線は花火によって異化された都会に向けられている。感性あふれるいい写真集だ。

2003年12月 1日(月) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:写真集・イラスト集

LV4「KAKIBAKA 描く男」

黒田征太郎著/求龍堂/2200円

黒田征太郎 KAKIBAKA 描く男
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1995年に出した「KAKIBAKA」の第二弾になるのかな。
5000円もした大判の第一弾に比べると小振りだが、中身はギュウと詰まっている。分厚い本にイラストが数万点規模。巻末に「本書掲載のモノクロページのイラストは、黒田征太郎が絵を描いている以外の日々の暮らしのなか、電話をしながらや食事中などに無意識のうちに手が動いて、身近にある紙切れなどに書き残していたもの」とある。それが数万点。

圧倒的なKAKIBAKAであり「手が走るッ」という帯コピー通りの本なのだ。
確かに書き殴ったような絵の集合だが、目的やメッセージを持った絵とはまた違う何かが伝わってくる。黒田征太郎を身近で知っている人やファンにとっては時間を忘れて見続けられるイラスト&エッセイ集。だが、黒田征太郎を知らない人には何がなんだかわからないかもしれない。そういう意味で微妙な本。

ちなみに挿入されている彼の一言一言がとてもイイ。これはいろんな本や雑誌で彼が語ったことの抜粋らしいが、抜粋したヒトがわりとセンスいいな。

2003年11月 1日(土) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:写真集・イラスト集

LV3「間取りの手帖」

佐藤和歌子著/リトル・モア/950円

間取りの手帖
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文字通り「間取り」のみの本。
チラシとか賃貸ニュースとかに載っているマンションとかの間取り。膨大な量にのぼるそれらの間取り集から、めちゃくちゃヘンテコな間取りだけを取りだしてまとめたのが本書なのだ。

こんなところに本当に人が住んでいるの?と疑問に思うような変わった間取りを1ページにひとつ収録してある。そして気の利いたコピーがひとつ(コピーの出来がとてもよい)。著者は賃貸ニュースとか細かく細かく見続けたのだろうなぁ。でないとこういうコレクションは出来ない。そういう意味では(きっと趣味なのだろうが)大労作。だってさ、一目で「変な間取り」とわかるものばかりではないのだよ。よーく見てよーく考えて「あ、あれ?」と気づく変な間取りも多いのだ。

この本の遊び方としては、コピーを隠してまず間取りをじっと見る。そしてその「変」な部分をじっと探す。自分が住んでみた身になって想像をいろいろ働かせる。そして「あっ!」と気づく。「なんだこの間取り〜!」と大笑いする。そんな遊びをやってると日曜なんてあっという間です。そういう本。おすすめ。

2003年9月 1日(月) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:雑学・その他 , 写真集・イラスト集

LV2「ASAKUSA STYLE」

曽木幹太撮影・文/文藝春秋/1900円

ASAKUSA STYLE 浅草ホームレスたちの不思議な居住空間
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副題が「浅草ホームレスたちの不思議な居住空間」。ホームレスたちが工夫を凝らして住んでいる様を取材したフォトドキュメントなのである。

ソーラーシステムがある家、リアカーで移動する家、哲学書が並ぶ家、芸術的ペイントが施された家、ちゃんと主婦がいる家……基本的に定住者(つまり普通に家を持っている人)のゴミで構成されているのだが、その生活は驚くほどバリエーション豊かで工夫に満ち、そしてモノに溢れている。食事もそれなりに豊かだし、なんだか国の基礎体力を感じるなぁ。やっぱり日本は豊かなのだ。

著者はホームレスたちの意外な生活を発見し、情熱を持って我々に紹介してくれている。個人的には写真以外の突っ込んだ描写(つまり文章)が物足りなかった。素材がとてもいいからこそ、もっと突っ込んだことを知りたくなる。あと、これはプライバシー上仕方ないのかもしれないが、人物をもっともっと写して欲しかった。もしくは、人物の個性が匂い立ってくるようなモノのアップが欲しかった。全体的に客観的な写真で、事実を伝えてくれてはいるが、その裏にあるものが乏しい。惜しい感じ。

2003年7月 1日(火) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:写真集・イラスト集 , 時事・政治・国際

LV5「岡本太郎の沖縄」

岡本太郎撮影/岡本敏子編/NHK出版/2400円

岡本太郎の沖縄
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岡本太郎が1959年と1966年に撮った写真をまとめた名作写真集。
ずっと手に入らなかったのだけど、復刻されたのか、普通に手に入るようになった。沖縄ブームのおかげかも。

鮮烈。衝動。慄然。とにかくどの写真も芸術家岡本太郎の目がそのまま生きている名作だ。
写真とは技術ではないと思い知らされる。トリミングもなにもしてないのに、そこにある時間・不可思議さ・愛・年輪などを余すところなく切り取っている。すごいなぁ。有名なイザイホーの神事を写してスキャンダルになった写真群(彼の行動に対しては虚実いろいろ言われているが、結局神域には入らなかったというのが今の定説らしい)で語られることの多い写真集であるが、1960年前後の沖縄の人々の生活を知るにはこれ以上ない文献となっている。少なくともボクは何時間も飽きずに眺め続けられる。第一級史料にして、歴史的名作。

2003年6月 1日(日) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:写真集・イラスト集 ,

LV5「ニライカナイ 神の住む楽園・沖縄」

三好和義著/小学館/2500円

ニライカナイ 神の住む楽園・沖縄
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上記「岡本太郎の沖縄」が昔の名作だとすると、この三好和義の撮った沖縄は現代の名作かなと思う。

彼の写真集を買ったのは3冊目。例によってリゾート系の彼の写真はきれいすぎるほどきれいで毎回見とれてしまうのだが、この写真集にはきれいだけではない迫力みたいなものがある。深みと言っても良いかもしれない。ボクはもう数十回沖縄に出かけているが、三好和義の目で切り取った沖縄は、ボクの目では見えてなかった沖縄だ。さすがである。

著者13歳〜16歳(1972〜75)のときに沖縄を写した写真も巻末に載っているのもよい。これがあることでとてもプライベートな魅力が出た。彼の中で成長した沖縄が見られる。なかなかオススメな写真集かも。

2003年6月 1日(日) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:写真集・イラスト集 ,

LV5「イラクの小さな橋を渡って」

池澤夏樹著/本橋成一写真/光文社/952円

イラクの小さな橋を渡って
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アメリカによるイラク侵略戦争(とあえて呼びたい)がいまにも起こりそうな雰囲気の中、ひとりの作家がペンの力を持って戦争への流れを止めようとした気高い試みとして評価したい本。本橋成一の写真に池澤夏樹の文章がつき、「この子たちをアメリカの爆弾が殺す理由はなにもない」と訴えている。

本は「もしも戦争になった時、どういう人々の上に爆弾が降るのか、そこが知りたかった」と始まる。実際にイラクを訪れ、人々の生活を見、それをウェブと本で世界に伝えた。国際政治的に進行する戦争について思考していくと、ふと、人々の暮らしという身近なレイヤーを忘れそうになる。作家の目はそこを鋭く突き、ボクたちに「想像力を取り戻せ」と訴える。そしてアメリカとの関係についても平明な論点で訴える。戦争を正当化する理由など、やっぱり何もないではないか、と。巻末の年表も役に立つ。イラクがいままで何をやってきたか。客観的事実も出しておくことでより狙いが明確になっていると思う。

国際政治を情緒で語るなと思う人もいるかもしれない。でもこの本に実は情緒はほとんどない。理系の目と感じるくらいである(写真はちょっと情緒的)。しかし、人を殺すかもしれない戦争に、情緒的になって何が悪い?ビジネスライクに考えていて良いのか? そんな反省を強く求められる一冊でもある。
※英語版・フランス語版・ドイツ語版が無料でダウンロードできます。

2003年3月 1日(土) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:時事・政治・国際 , 写真集・イラスト集

LV4「何もそこまで」

ナンシー関著/角川文庫/476円

何もそこまで
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友達には絶対なりたくないけど敬愛していた作家、ナンシー関。
ボクが週刊文春を毎週読んでいた頃と、彼女がいきいき連載していたころが重なるので、ある時期のボクの人生にとって欠かせないパーツであった。彼女が今年の6/12に亡くなると同時に、日本の芸能界&テレビ批評は終わりを告げたと言ってもいい。時代の空気をお茶の間から掬い取り、ある毒としてテレビや芸能人にぶつけていた彼女だが、単なるテレビ批評に終わらず、それが時代評論としても普遍性を持っていた点が偉大だったと思う。あの時代の空気のつかみ方、表現の仕方は舌を巻くしかない。タレントの肝をひと言で表現するように、時代すらも彼女は乱暴に言ってのけていた。

この本はその週刊文春での連載をまとめたもの。
おなじみの筆致、おなじみのテイストでつづられる。消しゴム版画作家としてのすばらしさもあるが、こうして過去の著作を読んでいるとまぁ惜しい人を亡くしたものだと嘆息する。もっともっと読みたかったなぁ。他にもたくさん本は出ているのだが、なんだか読む気にならないくらい著者を惜しんでいる。

2002年10月 1日(火) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:エッセイ , 評論 , 映画・映像 , 写真集・イラスト集

LV5「クレイジーな人たちへ アップル宣言」

三五館/1000円

アップル宣言―クレイジーな人たちへ
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ま、読むだけなら1分で読める本だな。アップル(Macintosh)の「Think different」のCMを再構成して写真とともに言葉を並べただけの本なのである。
写真は世界のクレイジーな人たちのスナップ。アインシュタインに始まり、エジソン、レノン、フラー、アリ、ピカソまで17名。それらの肖像に実際のCMのコピーがつけられているだけの本なのだ。98年発売の古い本。友達に教えられるまでこの本の存在を知らなかったボクだが、いまではボクの座右に置かれることになった。

「クレイジーな人たちを讃えよう」という言葉で始まる20ページにも満たないこの本は、前向きな刺激に満ちている。
世界は変えられると信じているクレイジーな人たちの仲間になぜボクは入ろうとしないのか。おさまりがちな日常におさまって、志半ばで諦めてしまったいろいろな関心事を、自分の身近に再度呼び寄せる力がこの本にはある。それだけでも買いである。1000円は決して高くない。

2002年5月 1日(水) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:写真集・イラスト集 , 哲学・精神世界

LV3「空から堕ちた」

黒田征太郎著/塩澤文男構成/新風舎/700円

空から堕ちた
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ページ数にしたら30ページほどの本。9.11のテロの日から数ヶ月に渡り、黒田征太郎(NY在住)がNYから日本に出し続けたハガキや書簡の数々(全部イラスト)を一冊にまとめたものである。
題材は9.11。確かに薄い本だが、あの日に黒田征太郎の目がアソコにあったことを喜びたくなる、そんな独特の視点に満ちた本である。あの日の、そしてあの日以降のNYの空気を、実感として心に届けてくれる。イラストの力か。

9.11の当日、いつものようにジョギングする人々への黒田征太郎の視線。ヒロシマナガサキとツインタワーを重ね合わせる黒田征太郎の視線。そしてまた、そんなハガキイラストの上に、ペタペタとめちゃくちゃ多く消印を押しまくるNYの郵便局員(←共感か?呪詛か?とても面白いコラボレーションになっている)……印象深いイラストが多く、思わず何回も何回も読み直してしまった。そしてまた思う。やっぱり黒田征太郎という人の線は天才の線である。字も、捉え方も含めて。

2002年3月 1日(金) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:写真集・イラスト集 , 時事・政治・国際

LV2「南島ぶちくん騒動」

椎名誠著/幻冬舎文庫/457円

南島ぶちくん騒動
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石垣島で買い、石垣島で読んだ。
著者の監督により、石垣の白保海岸で撮った映画「うみ・そら・さんごのいいつたえ」のロケ日記的趣きの本である。120ページ程度の薄さにモノクロ写真ふんだん、という体裁なので、あっっっという間に読める。でも椎名節は八重山ののんびり空気に合っていて、薄くてもあっという間でも不満はあまりないのであった。

文中、「南の島の魅力はなにか?ひとつだけあげよ」という命題で、著者は「沖縄の子供たち!」としている。卓見、そして共感。あの目の輝き、あの身体中から発散される楽しいぞオーラは尋常ではない。たぶん著者も自分の子供時代に重ね合わせて見ているのだろう。つか、重ね合わせて見られる子供が東京にはもういない、ということか。著者撮影の写真はそんな子供たちをよく捉えている。目線が近いせいだろうか。

2001年8月 1日(水) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:エッセイ , , 写真集・イラスト集

LV3「似顔絵」

山藤章二著/岩波新書/940円

カラー版 似顔絵
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なるほどねー。『似顔絵は「そっくり絵」ではありません。盛り場でよく見かける、商売としての似顔絵はそれでいいのですが、自己表現としての似顔絵は別の方向を向いています。相手の方に近寄るのではなく、逆に、自分の手元に全部引き寄せてしまう。「オレにはこう見える」という「人物論」--それがぼくの考える似顔絵です。』(本文より) これにすべてが言い尽くされているなー。「似顔絵=自己表現」。うーん。とっても共感する。そう、どんな発信も自己表現なのだ。結局自分がどう見たかなのだ。

この本を読んでそこらへんの感じが一気にクリアになり氷解した。
ありがとう、わかりやすく解いてくれて。そんな気持ち。
時代を意識したテクニックやジャーナリズムじゃなくて「オレにはこう見える」・・・。そういう目で改めて彼の作品群、似顔絵塾塾生の作品群を見ていくとまた違ったものが見えてくる。「似てるねぇ」と単純な感想ではないものが見えてくる。テレビの物まね選手権がつまらない理由も一気にわかったボクなのであった。

2000年12月 1日(金) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:写真集・イラスト集 , エッセイ , アート・舞台

LV2「山下清のすべて」

サンマーク出版/1700円

山下清のすべて―放浪画家からの贈りもの
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本屋でこの本を見つけ、急に山下清のことが知りたくなった。
山下清・・・裸の大将と言った方が有名か。日本のゴッホと言われ、素晴らしい貼り絵で知られる天才画家。有名である。ドラマでもシリーズになり、いまだに再放送している。でもボクはほとんど彼の実際を知らなかった。立ち読みしてその作品に触れているうちにとにかく知りたくなって買ってしまったと、そういうわけ。

よーく行間を読んでいくと、彼の存在にはちゃんと演出がある。外にも彼自身の中にも。
だが、彼の絵はそういうのを抜きにしても人を惹きつけるパワーを持っている。卓越した観察力と緻密な構成力。印象派の光の捉え方とブリューゲル的世界構築。妹尾河童に通じる細部描写。後期の素描や水彩も素晴らしい。いつまでも見飽きない。そういったものをしっかり紹介しつつエピソードを重ねて構成した本書は、山下清入門としてはとっても良かった気がするのである。
関係ないが、彼の本質は「含羞」なのだろうな、と、ちょっと思った。

2000年12月 1日(金) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:アート・舞台 , 写真集・イラスト集

LV3「温泉ロマンス」

荒木経惟著/光文社知恵の森文庫/648円

温泉ロマンス―アラキグラフ〈第2号〉
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副題は「アラキグラフ第弐号」。
ま、率直に言って「エロ本」である。「エロ写真集」である。
ただ、文庫でこういうエロ本を出したのが新しい。しかも「知恵の森文庫」である。知恵、なのだ。いや、皮肉ではなくとてもいいことだと思う。アラーキーは芸術書でなく文庫がよく似合う。篠山紀信の文庫写真集(いわゆる激写シリーズね)はなんかキレイゴトの匂いがするが、アラーキーは文庫本来の「読み捨てでなにか悪いか」的セメノシセイがあって、とてもしっくり来る。

アラーキーの写真にあって紀信の写真にないもの、それは「ワタクシ」だ。彼は徹底的に個人的関係を被写体と結ぼうとする。そしてそれを写真にする。だから常にハメ撮りなのだ。むーん。あらゆる意味で、文庫が似合う写真集である。

2000年8月 1日(火) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:写真集・イラスト集

LV4「岡本太郎の世界」

岡本敏子・齋藤愼爾責任編集/小学館/2800円

岡本太郎の世界
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自分を「異化」したい、と、切実に思う今日この頃。岡本太郎の芸術にたどりつくのは必然であったのだろうと思う。

「芸術は気持ち悪くあるべきだ」という彼の主張が、この歳になってやっとわかってきた。理解できてきた。ずっと「ただ美しくあればいい」と思ってきたが、違和感なくしてなんの芸術であろう。見ている人の心を異化し、そこに二次的ななにかを生み出すこと。技術に頼った芸術や安易な感動を呼ぶアートとは一線を画す岡本太郎の凄み。彼のすごさを味わうなら、この本は過不足なく出来ていると思う。

この写真集&研究書&伝記を熟読した後、車窓から太陽の塔を眺める機会があった。年月が経ち、妙に景色と同化してしまった太陽の塔。これは太郎の意思と反するのだろうな、と妙な感慨を覚えたのである。

2000年5月 1日(月) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:写真集・イラスト集 , アート・舞台 , 自伝・評伝

LV3「東京 消えた街角」

加藤嶺夫著/河出書房新社/2500円

東京 消えた街角
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写真集である。東京23区の昔の街角写真をいっぱい掲載している。ざっと見て昭和40年代の写真が多いだろうか。ちゃんと何丁目何番まで撮った場所が載っているので、イマの風景と比較することは可能だ。そういう意味で、東京に住んでいる人には立ち読みするだけでも面白い資料であろうし、昔の東京を知っている人には懐かしくて時間を忘れる写真集である。

ボクは昭和36年に東京の大森で生まれ、その後24年間東京に暮らした(一時保土ヶ谷)。
昭和40年代後半の東京ならその匂いや空気を昨日のことのように覚えている。だから大変楽しんだ。著者は専門のカメラマンではなく単に趣味として撮り続けていたようだが、そのうまいような下手なようななんとも微妙な構図が逆に記憶の不確かさと重なってとても不思議な効果を及ぼしている。こういう回顧趣味的写真集はいっぱいあるが、その中でもなんとなく好ましい一冊。

1999年12月 1日(水) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:写真集・イラスト集

LV3「東京恋人」

おちまさと他/フジテレビ出版/1980円

東京恋人
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TX系深夜番組[東京恋人]の写真集。
テレビはほとんど見ないのでこの番組も知らないが単純に写真集として立ち読みして、衝動買いしてしまった。一昔前に「東京スタイル」というリアルな写真集が流行ったが、その恋人版、みたいな感じかな。

トレンディドラマみたいな格好良さはまるでないけど、その分リアリティがあるいまどきのカップル数組。
少ないページ数に凝縮されたその刹那的生活は、なんというか少しの羨ましさも手伝ってかわりとじっと見せてしまう力がある。ジジイみたいな言い方になるが、はっきり言って世代の違いを感じてしまうし彼らの行く末を心配もしてしまう。が、逆に一方でこういう刹那感みたいなものこそ貴重ではないか、これはとても正しい人生なのではないか、と感じるボクもいる。

なんだか日本も大丈夫だという気になって来ちゃったよ。全然そういう写真集じゃないんだけど。ボクにとってはとても不思議な存在感がある写真集なのだ。

1999年9月 1日(水) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:写真集・イラスト集

LV3「メイク・ミー・シック」

山田詠美著/集英社文庫/419円

メイク・ミー・シック
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時間つぶしのために書店に入り題名が気に入って買ったのだが、短編集かなと思ったらエッセイ&写真集の文庫化だった。

山田詠美ファンにはたまらないであろう写真がいっぱい入っている。
ああボクは山田詠美ファンかも、と再確認してしまった。内容的には恋愛指南的エッセイが多い。ちょっと時代的に古いのが難だが、作者がやんちゃに書いている様が匂ってきて好ましい。一般的に恋愛指南的エッセイは愚劣な物が多くほとんど読まないボクであるが、山田詠美が書くとひと味違って感じられるから不思議だなぁ。

退廃、自堕落、享楽的…、そんな生活の中でしっかり地に足が着いていて流されない生き方。恋愛指南と別の面でなんだか参考になってしまった。

1999年7月 1日(木) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:エッセイ , 写真集・イラスト集

LV1「昭和恋々」

山本夏彦・久世光彦著/清流出版/1600円

昭和恋々―あのころ、こんな暮らしがあった
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この超絶共著でこの評価、というのは、期待をかなり裏切った、ということです(期待しすぎ?)。

書き手抜群。昭和という故郷を失った我々が、昭和を恋々と懐かしむ際の語り部として彼らはまず最良の人選。題材も抜群。いまこそ「昭和」を語るべき。写真もなかなか良し。あー、ボクたち(S30年代以前生まれ)の小さい頃はこうだったよなーとの感慨…。

だのに、なんでこんなに面白くなかったんだろう。
古い記憶自慢大会みたいになったからかなぁ、「懐かしのメロディ」的番組を見ているような行き場のなさを感じてしまった。「懐メロ」としては良く出来ている。この本の役割も価値もわかる。だが、このふたりの書き手を擁しておいて「懐メロ」に終わらせるのはもったいなさすぎるのだ。「老人のマスターベーション」に終わらせるには、書き手も題材も良すぎるのだ。惜しい。

1999年2月 1日(月) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:エッセイ , 写真集・イラスト集

LV1「似顔絵物語」

和田誠著/白水社/1700円

似顔絵物語
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まぁなんというか、サラサラした本だ。まるで著者の似顔絵のようである。
山藤章二が書いたら濃厚にして毒のあるものになろうし、高橋春男が書いたら饒舌でデフォルメされたものになるだろう。そういう意味では画文一致。著者の本はほとんど読んでいるが、今回ほどそれを顕著に感じたことはなかった。

不満としては、似顔絵にまつわるいろいろをなぞっただけの内容の薄さと、挿し絵(似顔絵の例)の少なさ。著者による映画についての本などの内容の濃さ・着眼点の素晴らしさに比べるとどうしても見劣りがする。自分の本業な分だけ書きにくかったこともあろうが、もう少しつっこんで書いて欲しかった。

なお、表紙の絵はパターンを変えて5つこの本の中に出てくる。著者からのサービスですね。

1999年2月 1日(月) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:エッセイ , 写真集・イラスト集

LV2「作家のインデックス」

大倉舜二写真/集英社/4935円

作家のインデックス
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作家の書斎を中心に細々した小物にもレンズを向けてその作家の人物像を浮かび上がらせるのが目的の写真集。

有名作家56人の日常生活の場・仕事の場が写し出されている。
写真家というものはフラットに撮っているつもりでもどこかに意図を写し出してしまうものだ。これからの写真から匂うように浮かび上がってくるのは「作家の孤独」。畏れにも似た構図とは裏腹にその孤独をフィルムに定着させたいという意図を感じてしまう。意図がなかったとしたら「先入観」がフィルムに定着したのか…。
そしてリアリティのなさ。生活のリアリティがほとんど浮き出てこない。これも珍しいことだ。少し前に「TOKYO STYLE」という都会の部屋を撮った秀逸な写真集があったが、これと比べてみるとそのリアリティの差に愕然とするはず。それは被写体というよりも写真家の視線の違いであろう。

ただ、ボクはこの企画においてこのリアリティのなさは成功の一因だと思っている。作家のリアリティはその作品にのみ表れるものだからだ。ワイドショー的リアリティはいらない。

1998年12月 1日(火) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:写真集・イラスト集

LV5「表現者」

星野道夫著/SWITCH LIBRARY/3200円

表現者
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星野道夫の死に捧げるオマージュ本。
400ページにも及ぶ長大な弔辞のようなもの。まぁ写真がたくさん掲載されているからすぐ読めてはしまうけど。

星野道夫を好きだった人なら時間を忘れて楽しめるだろう。
「ひとりの人間が亡くなることは、ひとつの図書館が焼け落ちること」 文中に彼の言葉としてこんな言葉が紹介されているが、まさにそう言わざるを得ないような彼の死であった。

彼の死を悼む人達と、しばし一緒に語らいたい。そんな読者にはうってつけの本。まぁ難を言えば題名がどうだろう。彼なら、こういう含羞がない言葉を、使わなかったと思う。

いい言葉に出会った。著者の好きな言葉だったらしい。「人生とは、何かを計画している時起きてしまう別の出来事のこと」~Life is what happens to you while you are making other plans.

1998年11月 1日(日) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル: , エッセイ , 写真集・イラスト集

LV5「最後の昼餐」

宮脇檀著/根津りえ絵/新潮社/1800円

最後の昼餐
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根津りえの絵と俳句がとてもいい。この挿絵がなければこの本の魅力は半減であろう。まぁこの絵自体が執筆動機なのだからそんな仮定はありえないのだけど。

根津りえが描いているのは、著名な建築家である著者との「料理絵日記」である。
どちらかが料理を作りそして彼女が描く。それがある程度まとまったので著者が文章をつけたわけだ。大変楽しそうな食卓がページに広がっていて読んでいるこちらも楽しくなる。では文章も浮かれきっているかと言えば、これはそうでもない。透明で静かな文章が続く。これは本の最後の方でわかるのだが、著者が癌に侵されてから書いたものだからだろう。

静かで充足したセンスのいい日常が終息していく様がここにある。まだ著者は健在だが、「一番愛していた時間」をこの本に凍結保存しておきたかったのではないか。読み終わってそう思った。

1998年6月 1日(月) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:食・酒 , エッセイ , 写真集・イラスト集

LV3「二都物語」

黒田征太郎・絵と文/アートン/1905円

二都物語―ソウル・ピョンヤン
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ボクの尊敬する人の一人である著者がソウルとピョンヤンを訪れて絵を描き文を書いている本。
彼の絵も文も常にボクにナニカを与えてくれるのだが、今回もそれは期待を裏切らなかった。内臓をそのままさらけ出してくるような彼の画体・文体はいつも直接に心を刺激してくれる。

ピョンヤンでの彼の絵はニンゲンを意識していっぱい描いている。それだけピョンヤンのニンゲンが見えなかったからなのだろう。必死にニンゲンを探している彼の絵が線が、結果としてピョンヤンの現在を浮き彫りにしていてとても面白い。ソウルにしてもピョンヤンにしてもたぶん彼の言葉を活字にせず彼の字で印刷した方がより良かった気がする。それはそうと、彼の絵はこうして本にするとどうしてもチンマリ見えるのはなぜだろう。実物はあんなにパワフルなのに。

1998年6月 1日(月) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル: , 写真集・イラスト集

LV1「カスハガの世界」

みうらじゅん著/講談社/1600円

カスハガの世界
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「週刊モーニング」連載時から大変楽しみにしていた読み物。
カスハガとは「カスのような絵ハガキ」のことで、とにかく異様に腰が砕けるカスハガが満載されている。コンセプトや良し。発見や良し。非常に好きな世界である。
ただ、読み終わって、どうしても「は?それだけ?」というカスな気分に陥る。もっとなにか突っ込みようがないのだろうか……まぁないか。というか、カスの腰砕けを説明したりエッセイにしたりするのも、本格的カスとは言えないだろう。仕方ないのかも。
とにかくカスな本だが、そういうコンセプトな本なのだからカスでいいや。

1998年5月 1日(金) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:写真集・イラスト集 , 雑学・その他

LV4「東京観音」

荒木経惟+杉浦日向子著/筑摩書房/2200円

東京観音
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アラーキーが写真を撮り、杉浦日向子が小文を書きながら東京の街の姿と観音像を巡っていく。その企画にまず拍手。

相変わらずアラーキーの視点がいいので飽きない。彼に撮られると観音様も急に人間味を持ち出すから面白い。杉浦日向子の文もいい。妙に色気がある。アラーキーに触発されている感じ。

という風に至極面白かったんだけど、この二人のそぞろ歩きであるならばもっともっと濃厚な構成でないと読んだ気がしない部分がある。もうお腹いっぱいってくらい写真と文を載せて濃厚きわまりなく構成してくれてこその二人だと思うのだが。ちょっと欲求不満が残るかも。

1998年3月 1日(日) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:エッセイ , 写真集・イラスト集 ,

LV4「Portrait in Jazz」

和田誠・村上春樹著/新潮社/2200円

ポートレイト・イン・ジャズ
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和田誠のイラストに村上春樹の文章でジャズを描く、となれば冬の一晩を楽しく過ごせること請け合いだ。

まず和田誠によるジャズ・プレイヤーのイラストありきで、それに村上春樹がエッセイを乗せていっているのが普通の本と逆。プレイヤーの個性をつかんだ上質のイラストに刺激されて(プレイヤーの人選がまたすばらしい)、実にリズミカルにエッセイがスイングしている。村上春樹はこういう企画ものでも大変丁寧に書き込む。しかも新しい視点を各編ひとつは読者に与えてくれる。やっぱりすごい文筆家なのだなぁ。
というか、ジャズを好きに書く、という場を得て、イキイキしている感じ。すばらしい。

1998年2月 1日(日) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:音楽 , 写真集・イラスト集

LV3「天涯 ~第一 鳥は舞い光は流れ~」

沢木耕太郎著/SWITCH LIBRARY/3200円

天涯〈第1〉鳥は舞い 光は流れ
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沢木耕太郎初の写真集。
短文がほんの少しついてはいるが、まぁ写真集と言ってもいいだろう。旅をしながら著者がどういった視線でモノを見ているのかが実によくわかる写真集だ。

天涯=地の果て。常に自分を天涯に置き、自分と世界との距離感を客観的に見つめている彼の写真は実にさめている。雄弁さはまったくなく、どちらかというと寡黙だ。ボクはその寡黙さを愛するが、少々物足りないのも事実。ただ、見終わって「耕太郎ブルー」と言ってもいいような「青」が目に焼きつくのが印象的ではある。これは「第一」となっているので次作が出るのだろうが、それを買うかどうかは微妙。

1998年1月 1日(木) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル: , 写真集・イラスト集

LV5「定本作家の仕事場」

篠山紀信著/新潮社/12000円

定本 作家の仕事場―昭和から平成へ読み継がれる日本の作家一三五人の肖像
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副題は「昭和から平成へ読み継がれる日本の作家一三五人の肖像」。12000円もする高価な本である。

篠山紀信が撮り続けた135人の作家にそれぞれいろんな人が短文を寄せて構成してある。つまりは135人の仕事場での写真と135本の短文。短文はキャスティングが絶妙で飽きさせないし、紀信の写真も作家の内面に貪欲に迫っていて素晴らしい出来。特に中上健次や色川武大、開高健なんかの写真は良かったなぁ。
こうしてみると日本にも作家が多いねぇ。読書人口は続々減っているのにどうするんだろう。でも抜けている作家達もいろいろいるぞ。選ばれなかった人はそれなりにショックだろうなぁ。

高い本なので、作家好きとか文学好き以外にはオススメしないけど、ボクは満足した。

1997年3月 1日(土) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:写真集・イラスト集

LV1「鳥を描き続けた男」

国松俊英著/晶文社/2200円

鳥を描き続けた男―鳥類画家 小林重三
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鳥類画家小林重三の伝記。
おもに辞典に鳥の絵を書き続けてきた画家の一生を他の鳥類画家と共に丹念に書いたもの。

扱われる題材が珍しいこともあって飽きはしないが、もっとエンターテイメントに徹すれば映画の原作にも出来る題材だけに、作者の「単に真面目なだけ」の文体が残念。本作りも定価が高くなることを覚悟でもっと図版・写真をカラーで入れてほしかった。なにせ今でも日本一と言われている鳥類画家の伝記なんだから。
こういう知られていない人生を読むのって好きなので、どうせなら徹して欲しかった一冊。

1996年8月 1日(木) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:自伝・評伝 , 写真集・イラスト集

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