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ホラー(7)

LV5「渋澤龍彦綺譚集1(全2巻)」

渋澤龍彦著/日本文芸社/3900円

渋澤龍彦綺譚集〈1〉
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先月香山滋の幻想小説集を読んで、無性に渋澤龍彦が読みたくなった。
この希有な物語作家の全集(全2巻)は前から買ってあったもので、いままでも拾い読みはしていたが、じっくり腰を落ち着けて読んだのは初めて。今月はまずその第1巻。いや、実はここに収められた26編の8割くらいしか読めなかった。こうして書いている今もまだ読書継続中である。だって、著者の文章は流し読みが出来ないんだもの。ゆっくり物語世界に沈み込む快感こそ、彼に求めたいものだからである。

渋澤龍彦の作風をひと言で表現するなら「妖しい目眩」とでも言えようか。
この頃ではもう知らない人の方が多くなりつつある作家だが、読み返してみてそのオリジナリティと尋常でない妖しさに慄然とすることしばし。緻密かつアバウトな構成力と行間の深い表現力。細部に川端康成の文学的おどろおどろと三島由紀夫の絢爛が、ちょっとずつ宿っている。なんちゅうか、気持ちよく彼が作り出した闇に落ちていけるあの加速度感が得難いのです。初期の作品はちょっとイマイチなのも多いけど、全体の物語よりもなんというか漢字ひとつから匂ってくるようなイメージを楽しみたかったので満足。文字色、書体、装丁、挿し絵もそれぞれとてもよい。しかしこの著者、導入がうまいなぁ。このまま第2巻に突入予定。

2000年11月 1日(水) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:小説(日本) , ファンタジー , ホラー

LV1「ゴルゴン」

タニス・リー著/木村由利子・佐田千織訳/ハヤカワ文庫/640円

ゴルゴン―幻獣夜話
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副題は「幻獣夜話」。ファンタジーもの(一部モダンホラー)の短編集で、1983年の世界幻想文学大賞(短編部門)も取っている。著者はこの世界の一人者。

と、まぁ読む前はわりと期待したのだが、この本に限って言えば、少年少女用の域を出ていない印象。文章がわりと稚拙。同じ題材でももっともっと幻想的に出来ないだろうか。読者の想像力をもっともっと刺激することが出来ないだろうか。あー、小野不由美のレベルの高さをまざまざと見せつけられるなぁ。

1983年と言えばまだ8ビットのファミコンが出た頃、という感じか? その頃ならまだ許せるが、今現在ではもうこのレベルじゃ子供は楽しまないだろう。
幻想文学はRPGに勝てるのか。この本レベルだとボロ負け。小野不由美の十二国記シリーズまで行くと、漢字の美しさや想像力の喚起でなんとか文学の勝ち、かな。要は想像力の喚起なんだな、きっと。FF8なんて想像力が入り込めないリアルさがあって、結局つまらなかったもんな。

2000年7月 1日(土) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:ファンタジー , ホラー

LV4「死者の書」

ジョナサン・キャロル著/浅羽莢子訳/創元推理文庫/600円

死者の書
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ミステリーなのかな。いや、ホラーか。うーんそれともファンタジー小説か。まぁどれでもいい。鬼才と言われる作家のデビュー作で、アメリカではベストセラーだったらしい。

面白い。発想といい展開といい不思議な文体といい行間の深さといい、非常に楽しめる。だけどだけど、結局最後は拍子抜けだったのである。むーん。前半から終盤まではホントにいいの。でもね、終盤からラストにかけてがどうにも居心地が悪いのだ。息切れしたのかなぁ。それとも終盤までの怒濤の展開を支えきれなくなったのか。処女作だけにいろいろ考えられるけど、まぁ広げすぎ、なのかな。収まりがつけにくい展開ではあるし。

作家は想像力だけで世界を構築できる、ある意味で「神」なのだけど、そういう意味ではこの本はまさに「想像力そのもの」。
ちょっと映画「マトリックス」的部分や、ゲーム「ウルティマ・オンライン」的な部分もあって、面白い。読後はわりと拍子抜けだけど、時間が経つに従って印象が深まるタイプの本である。

2000年7月 1日(土) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:小説(海外) , ファンタジー , ホラー

LV4「東亰異聞」

小野不由美著/新潮文庫/590円

東亰異聞
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あぁ、まだ「屍鬼」読んでいないなぁ、と思いつつ、文庫化されたこれを先に読んだ。
相変わらずの小野不由美ホラーだが、江戸の情緒が満天に残る異次元の東亰(とうけいと読む)の書き込みが素晴らしく、読者は「まだ夜が夜であった頃の大都市」へしっかりワープ出来る。さすがな描写力だ。ミステリーであり幽霊物でもあるのだが、そんなことより異次元東京の夜を著者と一緒に徘徊できる魅力の方が上だろう。

残念なのは「東亰」を舞台にした分だけ読者は最初からあまりミステリーと思っていないのだ。怪談的な物とミステリー的な物の中間な気分で読み進むから、ラストとかが逆に中途半端に思えてしまう。どうせなら舞台設定を本当の明治東京にすれば良かったのに、と思うのだが。

1999年8月 1日(日) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:ミステリー , ホラー

LV3「過ぎる十七の春」

小野不由美著/講談社X文庫/580円

過ぎる十七の春
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ファンタジー・ホラーとでも呼ぶのだろうか。人里離れた山奥での幽霊もの。十二国記シリーズではまりまくった小野不由美はこういうホラー系もいろいろ書いている。というか、そっちがドメインなのかも。

なにしろホラー嫌いなものでこうしてよっぽど気が進まないと読まない。ということで、今回は気が向いたので手にとった。面白かった。怖さはほどほどでボクにはちょうど良かった。
ただ、人物造形が少々甘ったるい部分がある。でもこれは「講談社X文庫ホワイトハート」という少女向け文庫のためもあろう、仕方がないんだろうな。また気が向いたら他のも読む気になるくらいは楽しめた。

1998年7月 1日(水) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:ホラー , 児童・ティーンズ

LV5「ステーシー」

大槻ケンヂ著/角川書店/1200円

ステーシー
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オーケンのSF小説。というかホラーかな。

ボクはこの本、好き。
ひとつ間違えば単なる悪趣味ホラーに終わっちゃうような題材をしっかり愛が包んでいる。ちゃんと芯がある小説である。

15歳から17歳の少女達が突然死し人間を襲う屍体ステーシーとなって再生する…というストーリー。
時代におもねっているという印象がなくもないのだが、よくありがちな「設定負けSF」とはかなりレベルが違うのである。音楽という「飛躍を大切にする表現手段」の場にいる著者ならではの飛躍が随所に生きていて感心する。これからの「作家・大槻ケンヂ」にかなり期待するボクである。

1997年10月 1日(水) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:SF , ホラー

LV5「リング」

鈴木光司著/角川ホラー文庫/560円

リング
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一言。怖い。
ホラー小説とは知らず(角川ホラー文庫と書いてあるのにねぇ)に読み始めた。ホラーは基本的に嫌いだからホラーと知っていたら読まなかった。
だから僕がホラーになれていないというせいもあるとは思うのだけど、本当に怖かった。目の付けどころ。構成。盛り上げ。謎。推理。展開。どれをとっても見事な完成度。著者のずいぶん前の作品だが、ずいぶん前に「ぜひ読んで」とメールが来たのでやっと読んだ。読んでよかった。でも出張中にホテルでひとりで読むもんではありませんね。あぁ怖かった。怖がりなんです。ボク。

1997年5月 1日(木) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:ホラー

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